ヴィンテージオーディオ修理会社のCMJ、「10兆円の眠る名器よ甦れ」

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ヴィンテージオーディオ修理会社のCMJ、「10兆円の眠る名器よ甦れ」

2016年04月25日

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「あの名器で、再び音楽を楽しむことができる」ヴィンテージオーディオの愛好家が小躍りして喜ぶ会社がある。ヴィンテージオーディオを中心とした修理専門会社CMJ (埼玉県さいたま市)だ。中古電気製品輸出事業大手の浜屋が出資して昨年1月に立ち上げた。

メーカーを退職した技術者が修理を行うメーカーを退職した技術者が修理を行う

BOSEやSONYの高級ラジカセやギミックの多い機器、オープンリールのテープレコーダーまで。CMJには、全国から様々なヴィンテージオーディオの修理依頼が舞い込む。

修理価格は、機器や状態によるがCDプレイヤーで3万〜4万円、高級CDラジカセで3.5万〜5万円程度と決して安くない。

しかしそれでも、月間100〜130件の修理が舞い込む。浜屋グループ企業からの依頼もあるが、それは全体の25%に過ぎない。その他は、宣伝をしていないにも関わらずエンドユーザーなど外部からの依頼。リユース事業者からの依頼も増えており、伝票には名だたるリサイクルショップの名前が連なっている。

100万円の製品も修理しなければゴミ

なぜ、古いものをあえて修理して使うという需要があるのか。

過去の製品には名器が多く、今同じクオリティーの製品を買おうとすると何倍ものお金が必要になるからだ。オーディオ機器の最盛期は、遡ること今から30〜35年前。「ハードだけで3000億円と、恐らく今の2倍の規模があった」(青木部長)と言う。どんどん売れるため大量生産が可能で、当時は高品質なものが、安くつくれたのだ。

「20万〜30万円のものを今再現しようとすると、100万円以上かかります。例えばテクニクスのレコードプレーヤーSL1200は当時5万9000円で販売されていましたが、最近出た復刻版は30万円、5倍に跳ね上がりました」(青木部長)

現行品には少ない重厚なレコードプレイヤー

現行品には少ない重厚なレコードプレイヤー。音が安定するため愛好家に人気

オープンリールデッキ の修理依頼もある

オープンリールデッキの修理依頼もある

100万円で購入した製品も、修理しなければゴミになりさらに処分費がかかる。壊れた名器を眠らせていた愛好家からすると、数万円でこれを甦らせてくれる専門修理会社は、待ち焦がれた存在なのだ。

同社に修理を依頼する中古事業者にとっても同様だ。買取り現場で出る壊れたオーディオは厄介な存在だが、修理ができれば利益がとれる商品に変わる。大手のリサイクルショップだけでなく、修理を前提にヤフオクで「セドリ」を行う事業者もいると言う。

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390号(2016/4/25発行)20面

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