第38回 交友録
森 剛氏の交友録
千日屋質店 |
七福商事 |
労惜しまず薄利多売で利益だす
七福商事の桑島大尚さんは当店が共同で主催している市場に参加してくれている関係で、毎月1度、必ず顔を合わせています。
大尚さんはプロレスラーのような体型で、質屋業界には珍しくアウトドア派です。ジェットスキー、ボート、ヨットとマリンスポーツは何でも得意。学生時代からスキーもやっていて、今でも日帰りで京都や滋賀など関西の方へ滑りに行っています。そんな人ですから、店に強盗まがいの連中が来たのを一人で撃退したという武勇伝まであるんですよ。
大尚さんは大学卒業後の数年間、京都の質店でみっちり修行しています。ですから、今では相場感のある人が少ない電気製品や工具・道具類の知識が豊富です。なので、その分野の商品が出品されると、きちっと値段を出してくれるので、頼りになります。また、バッグも得意で、他のメンバーは手を出さない使用感のある商品を大量に買い取り、自分で修理して販売しています。お坊ちゃん育ちなのに、商売となると薄利多売の労を惜しまず利益を出す姿勢には感心させられます。
私は40歳までサラリーマンをしてから家業を継いだので、大尚さんは年下でも業界では大先輩なんですよ。それでも、「剛さん、剛さん」と言って慕ってくれ、体力があるので、市場で力仕事が必要なときは大活躍してくれます。お酒も強くて、誘ったら断られたことはありません。面倒見がよくて、頼りになる年下の先輩、それが大尚さんなのです。
405号(2016/12/10発行)13面