チケトレ、「不当な価格つり上げ許さない」業界団体が激白
2017年05月25日
適正価格で二次流通
「チケットの高額転売に反対します」。昨年8月音楽業界団体やアーティストが声明を発表し、社会にインパクトを与えた。そして今月、ついに業界公式の二次流通サービス「チケトレ」がプレオープンした。チケット二次流通市場にどのような影響をあたえるのだろうか。
5月10日にプレオープンした「チケトレ」。SNS上などでも話題になっている。
正式オープンは6月1日予定。現在は出品取引手数料0円キャンペーン中
音楽業界公式のチケット二次流通サービス「チケトレ」が、5月10日プレオープンした。6月1日に正式オープン予定だ。
発起したのは業界団体の日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、コンサートプロモーターズ協会、コンピュータ・チケッティング協議会の4団体。運営はチケット販売大手のぴあが行う。
売買できるのは、額面価格のみ。まずは紙チケットを対象に、ゆくゆくは電子チケットも取り扱う計画だ。
スマホからでもアクセス可能だ
手数料は売り手から10%+380円、買い手から13%(システム利用料含む、4000円以上の場合)。チケットの購入は先着順で、決済代金は運営側で一時預かり、公演の4日後に支払われる仕組み。チケトレは、「やむおえない理由でコンサートに行けなくなった人の救済策」として打ち出したと言う。
同団体は、昨年夏チケット高額転売に異議を唱えアーティストと共同で「チケット高額転売反対」の声明を発表。社会に大きなインパクトを与えた。
「声明発表後、世論の動向を見ていると多くの人が賛同してくれている。ただその中にも、病気や急用で行けなくなったときはどうすればいいのかという声もあった。救済策として、適正な価格で安全なチケットの二次流通マーケットを提供したいと考えています」(石川篤総務委員)
同氏いわく、このままチケットの高額転売が続くと音楽市場自体が衰退すると危惧していると言う。
「チケットの額面価格は、アーティストの思いに加え、会場の設営費、スタッフの人件費などから細かく算出しており、根拠があるもの。本来グッズを買ったり、追加でライブに行ったりと音楽業界に還元されるはずだった利益。第三者の介入による不当なチケット価格のつり上げで奪うことは許されない」
コンサートプロモーターズ協会 石川篤総務委員
416号(2017/05/25発行)1面