厨房機器やオフィス家具を扱う中古事業者にとって、無視できないほど『居抜き』が市場に浸透しつつある。資産単体の売買ではなく、什器と併せて設備や内装も丸ごと譲渡できる居抜きは売り手にも買い手にも利便性が高い。
「ぶけなび」の会員数は毎月300人ペースで増加
あどばる(東京都渋谷区)運営の飲食店専用の居抜き物件仲介サイト『ぶけなび』。新規開業者を中心に2万人が登録し、月5〜10件の飲食店が同サイトを利用しオープンしている。
同社の中瀬正昭グループ長によると、例えば10坪の店舗の開店資金は700万〜800万円が相場だが、居抜き造作物件の場合は100万円程で開店可能だと言う。
「飲食業界は参入障壁が低い。しかし退店も早いのが現状で、年間10万店が出退店しています」。不動産と動産別々にやり取りする手間を省き、「看板を変えるだけで出退店も可能」な点が、回転の速い飲食店業界に重宝されているようだ。
ベンチャー向け物件「お洒落で安い提供」
ヒトカラメディア(東京都渋谷区)が2月にスタートした『スイッチオフィス』は、ベンチャーやスタートアップ企業をターゲットとした、居抜きオフィス仲介サイトだ。
ベンチャー企業等が対象のスイッチオフィス
387号(2016/3/10発行)4面