直接会って売買できるアプリ
スマホ画面とロゴ
起業のきっかけは娘の部屋づくり
ローカル商圏で商品手渡し
OfferUp(オファーアップ)は2011年6月にリリースされた、スマホで簡単に物の売買ができるマーケティングプレイスを提供する無料アプリだ。特徴はスマホの操作が簡単なこと、手渡しできる範囲内に住むユーザーが対象となること、そして手数料が無料であることだ。
このアプリが誕生したきっかけは、共同創業者でCEOのNick Huzar氏が娘のために部屋を用意しようとしたところ、家の中に使っていない物が溢れており、捨てる以外の方法で処分しようとすると途方もない時間がかかると感じたことがきっかけだった。不用品を処分できる簡単でより良い方法を提供できれば、ビジネスになると考えたのだ。
当時、アメリカにはAmazon、eBay、Craiglist、Etsyなどの老舗サイトがあった。だが、いずれもスマホに特化しておらず、運営会社が売買を仲介しているため、出品するのに手間と時間がかかった。また、eBayは出品した商品が売れると手数料が10%かかるうえ、支払い方法がPayPalの場合、売価の2.9%+$0.30を追加で支払う必要がある。これでは売価が安いと、売れても手元に利益の半分も残らない。
競合はLetgoとメルカリだが後発組は認知度の低さが課題に
OfferUpは出品に1分とかからない。自分で値段を決め、アプリを通して購入希望者とメッセージをやり取りし、交渉が成立したら場所を指定して、商品を見てもらう。そのうえで納得したら現金や小切手を払ってもらうので、車や家具など高額商品も多数アップされている。ローカルでの取引なら、実際に現物を見ることができるので、アダルト、動物、酒といった法律に触れるもの以外は、洗剤や化粧品といったものまで売買されている。
426号(2017/10/25発行)8面