CtoCは信頼性の担保をすごく考える1年になる
コメ兵は2017年11月に、ブランド品に特化したフリマアプリ「KANTE(カンテ)」をリリースした。特長は、本物かどうかの「鑑定」が付いていることと、「買取り」も選択できること。仕掛け人の、同社執行役員・マーケティング統括部長の藤原義昭氏は、今年は、特にCtoCにおいて「信頼」が重要なキーワードになるだろうと話す。
執行役員マーケティング統括部長 藤原 義昭氏
CtoCは今後も広がるでしょう。色んな切り口が出てくるかもしれない。当社のカンテもそうですが、自転車や釣り具など特化型が増えるんじゃないかと思っています。またCtoCは特に、信頼性をどこまで担保できるかが重要になってくる。2018年はそのために何をして、どう投資するか等、すごく真剣に考える1年になると思います。
当社がカンテをはじめた大きな理由のひとつも「国内で偽物を出させない」「蔓延させない」ということ。ブランドが毀損されると私たちのビジネスは立ちいかなくなるためです。コメ兵は70年鑑定や査定をやってきた会社なので、そこに強みがある。今の時点では、テクノロジーだけで本物かどうか判断することは難しい。AIが80%見抜けるとしても20%がすり抜けてお客さんの手元にニセモノが届いたら意味がない。もちろん当社でもAIをつかった画像解析もするし、研究も進めていますが、「人の目が見ること」が現時点では重要です。
パイの奪い合い無い
ターゲットが違う
フリマアプリの登場で消費者がリユースに触れる機会が増えましたが、まだ一部。新品市場の大きさから考えると、中古はこれからの市場だと思います。まだパイを奪い合う時期でもない。それぞれのサービスが、異なるターゲットを設定しているように見えます。フリマアプリを使う人は「少しでも高く売りたい・すぐにお金はいらない」と思っていて、即時買取りの利用者は「少額の資金を早く手に入れたい」と思っている。私たちのようなリユース業者を使うのは「比較して自分の納得したところで売りたい」と考えているユーザーです。
身に付けている物が資産になってくる
コメ兵では下取りを推し進めています。自分の持っている「資産」を下取りに出して予算に足したら、今までよりもっと良い物を買うことができる。買う時にさらに中古を選べば、トータルで倍以上の買い物ができるんじゃないかな。
家計に占める資産というと、これまで土地・家・車でしたが、テクノロジーが発達していくと「今自分が身に付けている物」が資産になってくる。それを原資に新品や中古を買えるとなると、消費者の選択肢が増えていく。そこに僕たちが貢献して、シェアリングエコノミーを大きくしていきたいです。
431号(2018/1/10発行)4面