イベントレポート
2月8日、東京・原宿のCASE Bでふくのわプロジェクトのトークショー「衣類のリユースでパラスポーツを応援しよう!」が開催された。
リメイクしたバーバリーのバッグを手に語る山口大人氏(中央)と布矢千春氏(左)、道端カレン氏(右)
ふくのわプロジェクトは産経新聞社が主催・運営する事業で、企業や個人から寄付された衣類をリユース業者に買い取ってもらい、その収益金でパラスポーツ(障がい者スポーツ)を応援する活動だ。
トークショーは2部構成。第1部は「着なくなった服、どうしていますか? 〜服から考える持続可能な資源利用〜」をテーマに、ドレスメーカー学院長・ファッションジャーナリストの布矢千春氏、サスティナブル(持続可能な)ファッションデザイナー山口大人氏、モデルの道端カレン氏が語りあった。
2部に登壇したパラトライアスロン選手の秦由加子氏(右)トライアスロン大会総合優勝の経験のある道端カレン氏(左)
山口氏が「チェーン店が増えて古着が若者に身近になり、市民権を得た」と語ると、布矢氏は「古着は今第4次ブーム。戦後、70年代、10年前を経て、今は若い人に爆発的に広がった」と歴史を解説。とはいえ、古着が好まれるアメリカやフランスなどに比べ、日本の古着に対する意識の遅れが指摘された。
山口氏からはメンズのバーバリーのコートをレディースにリメイクして販売した事例や、リサイクルレザーと木のシートを使ったバッグなど、自身の活動や作品が紹介された。
第2部は「衣類のリユースでパラスポーツを応援しよう!」と題し、2017年にトライアスロンの2大会で女子総合優勝を果たした道端氏とパラトライアスロン選手の秦由加子氏が登壇。競技を始めた経緯や種目ごとに異なる義足をオーダーメイドで作る必要があり、お金がかかるといったエピソードが語られた。
同プロジェクトは1月29日から東京都内22ヵ所の企業や学校に衣類回収ボックスを設置し、衣類の回収が行われている。
都内22ヵ所に回収ボックスが設置された
それ以外にも、提携先のデファクトスタンダード社ブランディアに送料無料で買取査定を依頼できる。買取が成立した場合は、同社から提示された査定額の一部または全額をふくのわに寄付できる仕組みだ。
同じく提携先の原宿シカゴの倉庫へ送り主の送料負担で送る方法もある。衣類は1㎏あたり10円で同社が買取り、その買取金額が同社からふくのわプロジェクトに入金され、日本財団パラリンピックサポートセンターへ寄付される。
434号(2018/02/25発行)14面