メルカリ 再販織り込み商品購入 「フリマ時代の消費行動」テーマにセミナー
2018年05月09日
・フリマアプリ時代の消費行動をテーマにセミナーが開かれた
・20代の半数以上が中古商品の購入に抵抗感がない
・新品価格から再販価格を差し引いて考える傾向に
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メルカリ 再販織り込み商品購入
「フリマ時代の消費行動」テーマにセミナー
メルカリ(東京都港区)は4月16日、「消費変貌『売ることを前提にモノを買う』フリマアプリ時代の消費行動とは」をテーマにセミナーを開催した。フリマアプリを通じて二次流通市場での「価値の見える化」が進み、若い世代の消費行動に変化が生まれていると言う。
第一部ではメルカリの小泉文明社長と慶應義塾大学大学院の山本晶准教授の二名が登壇。
全国のフリマアプリ利用者・非利用者各500名を対象にした、中古に関する消費行動の意識調査を発表した。
調査の結果、中古商品を購入することに「あまり抵抗を感じない」「全く抵抗を感じない」と答えた20代が半数を超え、若い世代を中心に中古が浸透し始めているとし、「マーケティングの教科書は新品前提。その常識が覆る結果」(山本准教授)。一次流通市場への影響を示唆した。
▲調査を監修した山本晶准教授(右)とメルカリの小泉文明社長
また、フリマアプリ利用者の半数以上が「新品購入前にフリマアプリで値段を調べるようになった」「売るときのことを考えモノを大切に扱うようになった」と回答。フリマアプリ利用者にとって、購買後の行動にフリマアプリでの出品が予め組み込まれている。これまで自動車等で認められていた再販価値が、アパレルなど他の中古にも見出されてきている。
例えば新品価格10万円のブランド衣類を購入する前にメルカリをチェック。再販価格が5万円ならば、消費者はそれを織り込んで実質5万円と言う意識で購入する。「メルカリを通じた二次流通市場での『価値の見える化』により、再販を見込んで気に入ったモノを買いやすくなっているのでは」(小泉社長)。
第二部では小泉社長とgumi lgumi代表でファッションライターの軍地彩弓氏、女性向けアパレルブランドのウツワ代表のハヤカワ五味氏の3名が登壇。フリマアプリ登場によるアパレル業界の変化を話した。
ハヤカワ氏は若年層の間で広がるワンショット消費について「母の世代は保護者会の服を『着回す』が、妹は『一度インスタに載せた服は売って新しい服を買う』と言っており違いが面白かった」と自身の体験談を交えて消費者行動の変化を話した。軍地氏は「『売れるから』『売れないから』で商品を買う買わないを選択するコスパ主義の時代に入った」と分析し、これからはブランド側も、フリマアプリ登場により「見える化」された再販価値の影響を受け、ブランドの持つストーリー性や商品の丈夫さなど更なる工夫をしていく必要があるとした。
第438号(2018/04/25発行)20面