上場リユース企業の業績結果は?メディア系企業の苦戦は続く
2018年06月14日
・上場するリユース企業の決算が2月・3月で出揃った
・トレファクが2桁増収を達成、コメ兵も増収増益などと好調
・本などのメディア系を扱う企業はほとんどが苦戦
上場リユース企業決算
業績明暗分かれる メディア系は苦戦続く
メディア系商材を主とする企業は苦戦が続いている。
上場する有力リユース企業の中で2月と3月が決算期の10社の業績を左の表にまとめた。2ケタ増収が4社ある一方で減収は5社にのぼった。
リユース最大手のゲオは、レンタル事業が減収となったものの、リユース事業や新品販売の伸びで増収となった。古着等を扱うセカンドストリートは前期29店増の535店に、今期も40店の出店を見込む。
トレジャー・ファクトリーは、買収したカインドオルの売上が通年で寄与したことにより、売上高は前期比23・3%増。前期グループで20店の出店を行い、今期も12店前後の出店を行う計画だ。
前期減収減益だったコメ兵は、増収増益に反転。出店した大型店3店の業績が順調。個人買取額が過去最高になったこと等が業績を押し上げた。カメラや時計が主力のシュッピンは、新品と中古ともに好調を維持。ネットだけでなく店舗の業績も伸びている。
一方で、本・メディア系商材を扱う企業は苦戦が続いている。
ブックオフコーポレーションは、店舗事業の売上構成比で6割強を占める書籍とソフトが前年割れ。ネットにおいても店舗からの在庫出荷中止や宅配買取が伸び悩んだため、連結業績において減収となった。
ワンダーコーポレーションの中古売上高は横ばいとなっているものの、総合リユースが13・9%増と伸び、中古メディアの減少を補ったためだ。テイツーは中古の本やメディア等の売上が10%減少。
拡大してきたトレカ事業の出店を取り止め、古本市場に注力する方針に転換した。
リユース市場規模は拡大傾向にあるものの、成長を牽引しているのは、フリマアプリ等のネット販売だ。
各社の既存店売上は横ばいや前年割れの企業が多く収益面を圧迫してきている。
第441号(2018/06/10発行)1面