原状回復費・適正化協会が行う、オフィス移転時の「もったいない」現象を是正するための活動とは
2018年06月19日
原状回復費・適正化協会
オフィス移転に「もったいない」
リユース参画で適正化へ
ートピックー
過剰工事を防ぐ
オフィス退去時には諸設備を解体撤去し、床・壁・天井の張り替えを実施するなど原状回復をすることが通例となっている。
しかし、そのまま使える窓や柱などの共有部分まで工事が行われて費用負担を請求されていたり、床材などの諸設備がグレードアップして請求されるなど「過剰な工事による不当な現状回復費の請求が横行している」と池田文夫理事長は話す。
このような時にRCAAは、第三者機関として適正な原状回復の範囲を明確に示し、過剰な工事の実施を防ぐことで費用の適正化が図れるようサポートする。工事費用の査定を行い、テナントの代理としてオーナーとの交渉等を行う。
リユースとの関わり
不当な請求の例としてパーテーションがある。
本来はテナント側の所有物であるにも関わらず、オフィス移転に際して当然のようにビルオーナーによって解体撤去され、その費用が請求される現状があると言う。
これを改善しようと、中古オフィス家具を扱うネゴシエーター(埼玉県川口市)が協会に参画。適正な処分費用の算出や買取りを行う。
▲池田文夫理事長(左)と、ネゴシエーターの岸義広代表
50%の費用削減も
RCAA運営の中心はスリーエーコーポレーション(東京都千代田区)。
1000社を超えるオフィス移転の減額交渉の実績があり、成功率は100%となっている。
上場企業のクラ イアントも多 く、サイバーエージェントの案件では初期見積額1億680万円から5300万円まで減額させた。
工数の見直しや全て新品に取り替えることになっていた天井材を、現に損耗が認められるところに変更させたことで減額が実現できたという。
通常損耗でも全て新品に変換する原状回復特約が結ばれていることも多々あると言い、これを「世界でも特異な慣習」(池田理事長)と言う。
同協会ではサスティナビリティ(持続可能)なオフィス移転として、「居抜き」の斡旋も行っている。
第441号(2018/06/10発行)9面