コメ兵、コメダ珈琲店と提携し買取イベントを開催
2018年11月24日
▲コメダ珈琲店本店の駐車場に買取を行うキャンピングカーが停まる
コメダ珈琲店で買取イベント
古物法改正受け催事買取解禁
改正古物営業法の一部施行を受け、各社が催事やイベントでの買取に乗り出している。コメ兵は、コメダ珈琲店と提携し期間限定でイベントを開催し、新たな顧客層の開拓につなげている。また、催事販売に強い小牧は、催事場での買取を強化する考え。今後、百貨店等での催事買取競争が一気に激化していくことになりそうだ。
珈琲店前に買取りカー
ブランドリユースのコメ兵(愛知県名古屋市)は10月28日、コメダ珈琲店本店(名古屋市)とコラボし、11月11日までの期間限定で買取イベントを開始した。コメダ珈琲店本店の駐車場に1台の「買取キャラバンカー」(キャンピングカー)を設置して買取りを行う。査定を利用すると同店の対象ドリンクが1杯無料になるチケットなどを進呈する。
初日は30名が査定に訪れ、内8割が新規客だった。ある夫婦が「売れないでしょう」といいながら持参した貴金属は30万円になり、その場で買取が成立した。別の男性のロレックスは購入時より10万円の高値がつき、売却するか迷う様子を見せたという。潜在需要の発掘が期待できることから、今回のコラボ終了後も他社との提携には積極的に取り組む方針だ。
都市部に出店する戦略で攻めてきた同社だが、今回のコラボを通じて「郊外に住む人にとっては実店舗が都市部にしかないことが利用のハードルになっていたと実感した」と経営企画室の長谷川奈々氏は話す。また、「お客様の生活に溶け込んだ百貨店やスーパーマーケットなどとコラボし、『ついで売り』を広めていきたい」(同氏)と話した。前期の個人買取額は約189億円で過去最高を記録。今期は200億円を目標に掲げ、新たな買取チャネルとして仮設店舗に期待をかける。
催事買取が激化!?上乗せ見込む
一方、古物商を保有する百貨店や量販店と提携することで、法改正以前から催事会場で買取りを行なっていたのが、質とブランドリユース事業を展開する小牧(京都府京都市)だ。催事買取解禁を受け、近藤大司マネージャーは「催事における買取の競争が激化する。他社とどう差別化していくかが新たな課題になった」と話す。
まずは既存の催事会場における買取実施を増やしていく。同社は年120回実施する催事での販売に強みを持ち、内3割の会場で提携店を通した買取りを実施してきた。規制緩和に乗り、古物商を持たない量販店の催事でも始める。数年内に9割の会場で導入したい考えだ。これにより、買取金額ベースで数億円規模の上乗せが見込めるという。
催事会場における新たな需要の発掘も狙う。買取りを開始する催事会場では、常連顧客にあらかじめ電話を掛けて周知し 、買取サービスの利用を促す。あた、SNSを活用して若年層の取り込みを図っていく。
届出日の認識に齟齬 買取り不可能に
施行直後に催事買取を開始するつもりが、届出日の認識の齟齬で不可能になるというトラブルがあったのがエコリング(兵庫県姫路市)だ。同社はハウスキーピング協会の整理収納資格取得者が集まる「整理収納フェスティバル」に出展。
10月24日に届け出て27日から買取サービスを開始する形で事前に警視庁に確認を入れていたというが、窓口で「届出受理日より中3日間を空ける必要がある」と説明を受け、買取実施は不可能に。そのため「買取体験ブース」としての出展となった。
しかし、片づけ後の不要物の出先として買取サービスに関心をもつ来場者が多くみられたことから、今後の同様のイベントへの出展に期待を寄せる。来年には「行政や百貨店とタイアップして生前整理や贈与に関するセミナーを開催したい」(遊屋健治常務)と言い、不要な物を処分する一つの手段として買取を提案していく青写真を描く。
第451号(2018/11/10発行)24面