And Buyer 古着の新業界団体、デザートスノーら輸入系4社で設立
2019年02月09日
・輸入古着を扱う4社が「And Buyer」を設立
・古着業者へ販売の場を提供 市場規模拡大目指す
・オークション開催に向け30社の参加を目標にしている
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インポート古着等を扱う4社が集まり、古着業界の新団体「And Buyer」(東京都渋谷区)を設立した。業者間の連携強化により、業界の市場規模拡大を目指す。国内外の古着イベントの開催や、海外輸出のパイプのシェア、情報交換を通じて会員企業の協同を促す。古着の業者間オークション開催も予定する。
古着の新業界団体 デザートスノーら輸入系4社で設立
設立に携わったのはデザートスノー、JAM TRADING、ウィゴー、コンシェルジュの4社。理事長に就任したデザートスノーの鈴木道雄代表は、団体設立の目的を「企業の枠を越えて協力することで、古着業界の地位を確立し、市場規模を拡大させること」と話す。具体的な取り組みとしては、大きく分けて二つある。一つが古着業者へ販売の場を提供することだ。同団体が主催する古着販売イベントの優先登録や、出店料の値引きといった特典を用意する。
同団体が関わる主なイベントには、大井競馬場で開催し1万人を動員する「フルギフェスティバル」がある。「日販数万円の古着店が、フルギフェスで1日100万円以上売り上げたケースがある。こうした販路を作ることで、販売が厳しいという地方の古着店などが再度盛り上がるきっかけにしたい」(同氏)他、タイのヴィンテージ古着イベント 「FROM RAGS TO DISPLAY」の日本人出店者用ブー スを確保しているとい る。こちらは2日間で8000人ほどが来場し、タイ国民だけでなくパキスタンやマレーシアからも参加者が集まるという。
もう一つの取り組みが、古着事業者の海外買い付けの幅を拡大すること。インポート古着を中心とした業者間オークションの開催を通じて実現を目指す。海外の買い付けの現場では、自社のコンセプトとは異なるアイテムや、アンティーク雑貨や什器などの掘り出し物が多く見つかるという。しかし現状は自社で捌けない商材を仕入れることは難しい。こういったものを同時に仕入れて日本で売買できるようにすることで、海外で仕入れることができる魅力的な商品を、日本で流通させる体制を構築したい考えだ。
会員種別は古着売買を本業とする正会員の他、スタイリストや個人バイヤーなどを対象にしたサポーター会員、運送業や不動産業など異業種の賛助会員を設ける。「団体として運送やクリーニング業者などと契約することで、双方のメリットになる形を模索できれば」(同氏)まずは目標であるオークション開催に向け、会員企業を募る。すでに10社の加入を見込んでおり、年内に30社の参加を目標に掲げた。
第456号(2019/01/25発行)20面