一度しか着ないが同じものは避けたい
女性の悩みを解決する個人間レンタル
女性が結婚式やパーティなどに招待されると、まず考えるのが何を着ていくかだ。結婚式や会社、習い事などのパーティは、招かれる人が重なっていることが多く、何度も同じ服を着ることは避けたい。また、華やかな集まりには上質でデザイン性の高いドレスで出席したいが、滅多に着る機会のないドレスに何万円もかけたくはない。しかも、バッグやアクセサリーも必要となれば、相当な出費になる。
トロント発のベンチャー企業BORO(ボロ)は、そんな女性の悩みを解決しようと、シェアリングエコノミーの理念を取り入れたオンラインストアを運営している。店では高級ドレスやバッグ、アクセサリーなどを最低30カナダドルからという手頃な値段で借りることができる。ドレスのレンタルサービスは世界中にあ
って珍しくない 。日本でもかなり前から存在するが、BOROはそれらとは一線を画している。彼らは自社で在庫を抱えてレンタルするのではなく 、貸したい人と借りたい人という「個人同士を仲介する」ビジネスモデルを採用しているのだ 。高級ドレスのAirbnbといえばわかりやすいだろう。
BOROの手数料はレンタル料の50%
クオリティ維持のため査定を実施
貸し手は自分のクローゼットにあるドレスを貸し出すことで、レンタル価格の50%を受け取ることができる。残りはBOROの手数料、ドライクリーニング、配達、店の維持費などに当てられる。レンタル期間は4日、10日、30日から選ぶことができる 。例えば、誰かが500ドルで購入したドレスをレンタルしたい場合、最短の4日なら45ドルだが、10日だと65ドル、30日で85ドルになる。
同社はクオリティを維持するため、服の査定を行っており、実際にオンラインストアに掲載するのは貸し出し希望の60%~70%だ。画期的なサービスに思えるが、個人間の貸し借りなので、問題もある。サイズが1つしかなく、実際に着用してみると合わない場合があるのだ。サイズが合わなかった場合は、払い戻しや他の商品との交換を無料で行う100%保証を提供している。
BOROは"Own moments,not things.(モノではなく時を所有する)"を理念に若い2人の創業者Chris Cundari氏とNatalie Festa氏によって2017年3月30日に立ち上げられた。彼らの最終目標は、車ならUber、宿ならAirbnb、映画ならNetflixというように、ファッションを楽しむ最初の選択肢としてBOROが選ばれることだという。
第458号(2019/02/25発行)17面