《バイヤー道~私の買取接客術~》堀井 聡次長、疑問払拭でリピーター獲得

検索

《バイヤー道~私の買取接客術~》堀井 聡次長、疑問払拭でリピーター獲得

2019年03月21日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

バイヤー道
~私の買取接客術~

14-1.JPG▲アールケイエンタープライズ 店舗運営本部 RD事業1部 堀井 聡次長

疑問払拭でリピーター獲得
「感謝」をもらえる接客術

リピーター獲得が重要となる買取店。そこには、お客との信頼形成が不可欠だ。買取販売店「ロデオドライブ元町本店」(運営:アールケイエンタープライズ・神奈川県横浜市)で接客を行うほか、社内の研修プログラムで社員向けに講師を務める堀井聡次長から接客術を聞いた。

淡泊な返答は御法度
会話重ね、本質知る

カフェやアパレル店など多数の商業建物が軒を連ねる商店街。元町通りに面する「ロデオドライブ元町本店」もその中の1店だ。同店ではブランドバッグや時計、貴金属等の買取・販売を行っている。同店で店頭接客するほか、出張買取にも対応している堀井聡次長が、アールケイエンタープライズに入社したのが17年程前。

リユース業界に転身する前、家業である呉服店で仕事をしていた経験から、「例え着物1着10円の買取りでも、1着1着に込められた思い出や出来事を、欠かさず聞いています」(堀井次長)と強調する。堀井次長がお客から信頼を獲得するために大切にしているのが会話。お客の「売りたい」「いくらになるか」という言葉に対し、「○○円です」と淡泊に返す接客は御法度だ。お客が持ち込んだ商品に対し、「どういう風に使っていたのか」「なぜ使わなくなったのか」など出来事や売却理由を聞き出し、自社で提供可能なあらゆるサービスを提案してみる。革の破損を気にしているようなら修理を提案する。

「今すぐお金が必要」ということなら質利用を促しもする。お客が最初に発した言葉だけに気を取られることなく、会話を通し聞き出した情報から、お客が求めている本質を理解し解決策を提示してあげることが大切だ。「人は大切な物を手放す時、迷うのは当然。それを買取店に出してもらうには、"疑問"を払拭してあげることが必要です。店員に押されるがまま売りに出してしまったようなお客様には、心の中に『これで本当に良かったのかな?』と疑問が必ず残る。

その疑問が、『あの店にはもう行かない』に繋がってしまう。当店としては『買い取れるか、そうでないか』ではなく、『どうすればお客様の望みに応えてあげられるか』。その努力が伝われば、お客様も繰り返し店を利用してくれる」(堀井次長)

14-2.JPG

▲元町通りに臨む 「ロデオドライブ元町本店」

「購買心理8段階」にプラス「感謝」

同社の研修プログラム「ロデオドライブホスピタリティコンシェルジュ」では毎月1回、各店舗から1~2名のスタッフが集まり、接客に関する勉強会を行う。堀井次長はそこで講師を務めている。堀井次長はよく、「購買の心理8段階」を紹介する。人は、注目→興味→連想→欲望→比較検討→信頼→行動→満足という心理過程に沿って買い物をするというものだ。

この心理過程において、堀井次長が展開している持論が、「最後に、+感謝」だ。感謝を得るには先述の通り、会話に時間をかけ、相手の本心に迫り適切なサービスを提供することだ。同店では1組の接客に対し30分以上かけている。「相手に感謝される接客を意識しています。リピーター獲得には、『感謝』で終わることが必須ですね」(堀井次長)

第459号(2019/03/10発行)13面

Page top
閉じる