東京関根産業、質を知らない層が増加 スマホやタブレットも扱う
2019年04月18日
質を知らない層が増加
スマホやタブレットも扱う
「新しいスパイスを取り入れていかなくてはならない。日本でもキャッシュレス化が進んでおり、業界における現金やり取りをどう対応させていくかという問題がある。モノを所有する時代からシェアする時代への移行も重要な課題だ」(東京関根産業・関根和之社長)。
「質セキネ」として池袋・新宿・渋谷で、質預かり・買取、ブランド品、ジュエリーなどの販売を行うのが東京関根産業(東京都豊島区)だ。昭和17年、関根氏の祖父である嶌治氏が池袋に質店を開業。以後80年近くに渡り、質屋業を主軸に歩みを重ねてきた。昨今、質店を知らない若者も増加。幅広い層へ認知を高めるため『ギターでお金、借りました。』『借りたお金を返さなくてもいい。だって質屋ですから。』など、業態の特性を分かりやすく表す広告の作成にも注力している。
現在、買取依頼の中心は日本人だが、購入客の半数を外国人観光客が占める月もあるようだ。同社では7年前から、中国人をはじめとした外国人の雇用も行っている。「10年以上前には、スマートフォンやタブレット端末を質屋が預かることなど考えつかなかったが、現在では需要がある。時代の変化に対応し、質屋というニッチで伝統的な分野でこれからも挑戦していきたい。」(同氏)
第461号(2019/04/10発行)9面