【Borderless!】転売ヤーが多いイーベイ 法人参入が市場拡大の鍵
2019年04月23日
越境ECサイト「イーベイ」での販売実績を上げているZakki(千葉県柏市)では、サイト上でのデータ収集・分析を強みに、コンサルティングを手掛けている。同社独自の視点から、イーベイの実状を聞いた。
転売ヤーが多いイーベイ
法人参入が市場拡大の鍵
「イーベイは、楽天市場のように法人セラーが集まるECモールと違い、個人セラーが多い。ここに、商機を感じてほしい」こう話すのは、西脇直人代表。同社はイーベイで月100件以上の中古品の売買取引実績を上げている法人セラー。また、イーベイ関連のデータ収集を強みに、越境販売を検討している法人の立ち上げ、コンサルも手掛ける。西脇代表によるとイーベイに出品している日本のセラーアカウントの大半は個人セラー。いわゆる転売だ。
一方で日本の法人セラーは、まだ数百程度のアカウントしかないという。"転売ヤー"の個人セラーが多数を占め、彼らは、ドロップシッピングをイーベイで展開。商品を大量出品し、注文が入るとネットや小売店で仕入れるという手法だ。例えば、ある楽器店が楽天にギターを20万円で出品しているとする。すると複数の転売ヤーがこぞって掲載元のサイトから写真を転用し、30万や40万円でイーベイに出品する。「個人セラーは"数打てば当たる"で数千~数万品を出品。そのため法人が参入すれば売上を伸ばせる可能性は高い」(同代表)
アカウント成長には半年
月間の出品上限広げる
「イーベイがまだブルーオーシャンなのは、リミット枠が障壁要素になっているから」(同代表)リミット枠とはイーベイで月に出品できる上限値。通常のリミット枠は月間出品数が10点で、出品金額は500ドルまで。法人がアカウント開設する際はイーベイ・ジャパンに法人登録することを推奨している。会社の規模等によって通常の上限よりも拡大させた状態でスタートできる。それでも西脇代表は、「アカウントを持ちながらも、実績を伸ばせずにいるセラーは多い」と指摘。
英語表記や国内モールとの仕組みの違いに困惑するセラーが多く、また、返品や破損のリスクに過剰に気にしている場合が目立つという。「まずは商品を"とりあえず"出品する気持ちが重要。イーベイで月商1億円を上げる日本のセラーは存在し、彼らは特別なことをしているのでなく、日々のルーティンの中で越境販売をしているに過ぎない」(同代表)西脇代表は、アカウントを成長させるには半年~1年を要するといい、その中で、リミット枠を販売実績に応じて上げていきながら、あとは商品量や質で勝負し、取引実績を伸ばしていけるという。
Zakkiではアカウント開設前後から販売実績を上げていくまでのコンサルを手掛けており、現在は中古ブランド品や宝飾品等を販売しているセラー を支援している。また同社もセラーとして、ブランド品や音響機器を中心に販売。過去にはホビー品やカメラ等も扱い、累計5000件以上の取引実績を上げてきた。
第461号(2019/04/10発行)15面