「CASH」使って物々交換!モノで支払えるキャッシュレス決済「モノ払い」が登場
2019年06月12日
・「モノ払い」サービスで現代版物々交換を実現
・クレカや銀行振込と並んで「モノ払い」を選択
・二次流通でのノールック査定の可能性
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即時買取サービス「CASH」を運営するするバンク(東京都渋谷区)が6月12日、モノで支払いができるサービス「モノ払い」を開始した。提携企業のオンラインでの決済時にお金ではなく、モノで支払いができる。物々交換という新たなキャッシュレス決済手段として話題を呼びそうだ。
立ち位置は"決済会社"
「モノ払い」は、現代版の物々交換と言えるサービス。同社が運営する即時買取サービス「CASH」の仕組みを活用し、ノールックで商品価値を査定することで、購入する商品との等価交換を実現。さまざまなオンラインサイトでの決済に使えるようにした。
ユーザーは、オンラインでの決済選択時にクレジットカードや銀行振込と並んで表示された「モノ払い」を選択。査定に必要なブランドカテゴリを選び、査定するモノの写真を撮影。査定結果の金額で支払う。査定額が購入金額に満たない場合は、査定する商品を追加することも可能。差額をその他の決済手段(現状はクレカのみ)で支払うこともできる。逆に査定額が購入金額を上回った場合は、差額がCASHにチャージされ、現金として引き出すことができる。モノ払いの査定対象品は、CASHと同様にブランドのアパレルや財布、バッグ、スマホ等。CASHの査定上限は2万円だが、それ以上の商品も増えると言う。
既に今月12日からエボラブルアジアが運営する旅行運営サイト「エアトリ」で利用が開始。さらに、ナノ・ユニバースが運営する自社オンラインサイトでも6月末頃をめどに導入される予定だ。利用の割合は「提携オンラインショップの流通額の内、多くても5%程度」(光本勇介CEO)と見込む。
「モノ払い」の構想は以前から温めてきたと言う。ただ、CASHではノールック査定と言われる実物を見る前に査定額を提示して買い取るため、モノが届かないリスクがある。そのため、ノールック査定に参入した多くの会社が既に撤退している。同社では改善を重ねてきた結果、「デフォルト率は、ごく数%までに下がった」(同氏)と話す。こうした即時買取が回る下地ができてきたことから、買取のボリュームをスケールさせるために「モノ払い」の開発に今年2月から着手、今回のリリースに至ったと言う。
「一次流通に比べると現在の二次流通は小さ過ぎると感じていて、ポテンシャルはすごくある。ただ、モノが効率的に二次流通に入ってくるにはこれまでとは違った新しい見せ方や新しい手法が必要。モノ払いはその実験的な取り組みです。ノールック買取の可能性を突き詰めたい」と光本勇介CEOは話す。「モノ払い」の利用者は、CASHの会員となることから、モノ払いの利用者増を通じてCASHとの相乗効果を狙う。
第466号(2019/06/25発行)