《仕事ができる人の1日》KOMEHYO、名古屋本店きもの館責任者 坂本 直樹さん
2019年07月03日
・仕事で重要なのは「レスポンス力」
・客に着物のTPOを説明、買取も最高の相場で
・中古の着物は良いものがお買い得なのが魅力
.......................................................................................................................................................................
期待を裏切る速さで対応
業務は期日の数日前に終わらせる
▲店舗営業統括部名古屋本店 兼 商品営業統括部商品管理部
きものグループマネージャー
KOMEHYO名古屋本店きもの館責任者
坂本 直樹さん
39歳。岩手県出身。大学卒業後、大手呉服チェーンに入社。6年間着物販売に携わる。その後ディスカウントストアなどを経て、35歳の時にコメ兵に入社。3年目でKOMEHYO名古屋本店きもの館のマネージャーとなる。現在は着物の販売、買取、仕入れ、スタッフ教育など着物に関する業務全般を担当している。
業務を効率よく進めるカギは「レスポンス力」
コメ兵に入社後、3年でマネージャーになった坂本直樹さん。仕事で一番重要視しているのは「レスポンス力」だ。上司から仕事を頼まれたら、「期待を裏切る速さで対応する」(坂本さん)。書類の期限が25日までなら20日に提出。そうしていれば、他の仕事が急に入った時も対応できる。
坂本さんはやることを付箋に書いて、デスクに貼っている。そして終わったものは破棄している。「手帳に書くと、終わったかどうかわからなくなってしまうので、付箋を使っています」と坂本さんは言う。
レンタルかコメ兵か 成人式の振袖はお買得
これから着物を着たいと思っているお客も多い同店。坂本さんはまず着物のTPOを伝えている。もしも、失敗したら二度と着物を着なくなるかもしれないからだ。
買取では、着物の知識がないお客が持ち込むこともある。その場合、坂本さんは着物の価値について丁寧に説明。どのお客に対しても最高の相場で買取している。
坂本さんが同社に入って一番感動したエピソードがある。浴衣を買いにきた18歳の女性。成人式で振袖を着たいが、ひとり親のため諦めていた。そこで、坂本さんが同店の振袖コーナーに案内すると、「こんなに安いなら、自分で買います」と購入。後日成人式の写真を持って来店してくれた。
「リユース着物の魅力は、素晴らしい着物に、お値打ち価格で出会えること。当店は沖縄からもお客様が来てくださるので、お店の魅力を伝える企画を立案していけたらと考えています」と坂本さんは話している。
糸を燃やし、素材を確認
①衣装敷き 着物が床や畳に直に触れないよう衣装敷きを使う②ライト 部屋が暗いとシミや色焼けなどがわかりにくいため、ライトで照らして確認するのに使う ③ルーペ 大島紬などの織の細かさを確認するのに使う④ライター 着物は素材を明記したタグがないので、引き抜いた糸を燃やして判断する。燃やすと正絹はカスが残らず、麻は残る。化繊はダマになるといった違いがある⑤ものさし ⑥iPad これで相場の確認などを行う⑦風呂敷 箱などに入れるより、風呂敷に包んだ方が中身が動かないので、風呂敷を使っている
1階が高級着物や小物、2階がお買い得な着物を販売している「KOMEHYO名古屋本店きもの館」。客層は幅広い。店頭在庫は1万点以上を超える。1年ほど前からお直しサービスをスタート。また、1g=1円で着物を売る量り売りの「Yen=g(エングラム)」コーナーも今年4月に始めた
第466号(2019/06/25発行)10面