【リユース×テクノロジー】NTC、服の採寸アプリで自動化 作業時間が1分以下に
2019年07月04日
情報通信事業を行うNTC(東京都豊島区)は5月29日、服の採寸専用アプリ「mysizeis.clothes」を一般公開した。同アプリはスマホなどで撮影した服を、AIと画像解析技術を駆使して着丈や身幅などを自動算出するもの。ECサイトへ服を出品する際に必須の「採寸」を自動化することにより、作業の効率化や人材不足解消、人的ミスの抑制が期待できる。
「当社は2016年に身体のサイズ測定アプリを発表していますが、アパレル系の取引先から『ECサイト出品時は服を1着1着メジャーで測るため、手間がかかる』といった声を聞き、需要を見出しました」。そう話すのは、インキュベーション推進部の江尻卓弥課長。同氏によると、ECサイトの拡大で出品作業の重要性が増す一方で、人材不足や採寸の教育などがアパレル企業の負担となっている。
同アプリは、模造紙など白い長方形の背景の上に服を広げ、スマホやタブレットで撮影すると、AIが自動で採寸するもの。「メジャーで服を測って数値を入力するには大体1分半くらいかかりますが、同アプリでは最低でも作業時間を半分以下に短縮できます」(同氏)
採寸が可能な商品はトップス・パンツ・スカート・ワンピースで、採寸箇所は肩幅・袖丈・身幅・着丈・袖幅など。採寸箇所はスリットなど約100ヵ所を追加できるため、商品に合わせてより詳細な採寸が可能だ。
同アプリのメリットの1つは、白い背景とスマホ・タブレットがあればどこでも採寸できる点。自宅などでも使用出来るため、在宅ワーカーやエンドユーザーの活用も見込める。リリース開始から約1週間での問い合わせ件数は、30〜40社。現在は無料でアプリを使用出来る「トライアル」も受け付ける。
同社は今後、フリル付きやアシンメトリーといった特殊な服の採寸における精度の向上や、靴や鞄の自動採寸化を図る予定だ。
第466号(2019/06/25発行)11面