《先手必勝》コメ兵、仮設店舗で買取イベント 年間利用者1万人目指す
2019年09月20日
昨年10月に古物営業法が改正され、仮設店舗での買取が可能になった。これに先んじたのはコメ兵(愛知県名古屋市)。改正直後にコメダ珈琲店で買取イベントを開催したところ、利用客は想定の3倍となる約500人となった。今年8月には、同イベントが東京初進出。環境省推計によると、物の売買が未経験の「非リユース人口」は総人口の約7割。リユースと縁のない顧客との接点づくりとして、仮設店舗が活躍しそうだ。
想定を3倍超える反響
提携先も来店客増加
「改正直後に行ったコメダ珈琲店名古屋本店でのイベント成功で、仮設店舗に需要があるとの仮説が正しいと確認できました。今年5月には期間限定イベント型の買取サービスを『KAITORI GO』と名付け、年間利用者数1万人を目指します」と話すのは、広報担当の長谷川奈々氏だ。
同社は、買取イベントを既に16回開催。これまでにコメダ珈琲店やらくだ書店、ジャガー・ランドローバー等とタッグを組み、提携先の敷地内で買取イベントを実施した。イベントで買取った商品は宝石や貴金属等が多く、これまでコメ兵を利用したことが無い顧客の割合が高い。
コンセプトは「利用客の近くで開催し、安心感を持ってリユースを体験できる」こと。例えばコメダ珈琲店と協業した際は、同店駐車場に買取専用カーを駐車し、横にパラソルを立てて受付を設置。利用客は受付で査定を申し込むと、珈琲店のドリンクチケットが貰え、店内で待機できる。査定が終わると利用客はコメ兵側から電話を受け、車内で査定結果を受ける。
イベントでは提携先等で使用できるチケット等を顧客に渡すため、提携先の来店促進にも貢献する。
「大事なのは、提携先・お客様双方にメリットがある『三方よし』となることです。商業施設開催時はお客様に施設のお買物券等を渡す等、次の消費に繋げることを意識しています」(同氏)
リメイクジュエリーの期間限定店も併設
都内初となる有楽町マルイでのイベントは、8月27日~9月13日に1階イベントスペースで開催。ターゲットは普段マルイを利用する買い物客だ。通りがかったお客の目に留まり認知度を上げ、再来店時に商品を持ち込んでもらう狙い。
イベント会場内には、同社のジュエリーブランド「mi luna」のポップアップストアも併設。同ブランドは、顧客から買い取ったカラーストーンを指輪やピアス等にリメイクして再販する。
▲有楽町マルイでは同社ジュエリーブランドのポップアップストアも併設
「これまで当社に持ち込まれたカラーストーンの商品は派手なものが多いため、そのまま再販すると若い方になかなか受け入れられません。そのため、新しい枠にはめて再販することで、生産と消費の循環を作りたいと思います」(同氏)
同ポップアップストアでは、アメジスト、ブルートパーズ、ペリドット等のリメイクジュエリーが購入可能。裸石もあり、石を選択するカスタムオーダーも出来る。
来店客に近隣店紹介
リピーター獲得目指す
同社は今後、青森エリア、宮崎エリア等でもイベント開催を予定しており、今後も全国各地で同事業に注力する計画だ。
同イベントの目的は、リユースの未経験者と接点を持たせること。イベント後も来店に繋げるために、積極的に近隣店舗や宅配サービスの案内を行う。
「リユース経験がない方もイベントを楽しんでいただけるよう、店舗装飾や車種等にはこだわっています。一方で、お客様が近隣店舗に再来店した際に『イベントと違う』と思われないよう、接客フローは通常時と特段変わりはありません。まずはお客様に楽しんでいただき、コメ兵を知っていただければ」(同氏)
第471号(2019/09/10発行)13面