ウリドキネット、買取比較サイトに越境データ搭載「イーベイ・ジャパン」と業務提携
2019年10月10日
買取比較サイト「ウリドキ」に、9月26日から越境データが搭載された。運営元のウリドキネット(東京都渋谷区)が、越境ECモール「イーベイ」を通じた企業支援を行うイーベイ・ジャパンと業務提携した。ユーザーがウリドキに買取依頼を出すと、掲載業者はイーベイでの取引価格を参考に査定できる。国内より海外需要が高い物はあるとされ、越境化が進むと中古市場を押し上げそうだ。
ウリドキネット木暮康雄社長(左)とイーベイ・ジャパンのビジネス開発部・岡田朋子部長
ウリドキネットが運営するウリドキでは、一般ユーザーが、買い取って欲しい商品情報を画像と一緒にネット送信すると、ウリドキに掲載する買取業者に査定してもらえる。現在国内3000店が参加。ユーザーは各掲載業者の査定額や口コミなどを参考に、売却先を選べる。
ウリドキネットは、イーベイ・ジャパンとの本提携で、「ITの力で中古市場をエンパワーさせていく」(ウリドキネット木暮康雄社長)と表現。経産省による「日本の家庭ではリユース価値にして年間7.6兆円の不用品が生まれている」との推定や、環境省による「日本人の約6割が物を売ったことがない」との調査結果を例に上げ、遊休資産を、高価買取査定を訴求して引き出させ、業者マッチングの精度向上を狙う。「既に越境販売をしている掲載店は一部。今後ニーズが高まりそうと感じている」(木暮康雄氏)
越境データ活用はまず、スマホ、カメラ、高級腕時計、高級バッグの4品目で実施。掲載業者はウリドキを通して流入した買取依頼に対し、専用の管理画面から、イーベイで日本から海外取引されている販売価格データを閲覧できる。イーベイ・ジャパンのビジネス開発部・岡田朋子部長は、「ある時期、ある型番のカメラで言えば、国内EC販売価格よりもイーベイでは1割高く売れ、ブランド時計では2〜3割高く売れる例もある」と説明した。
また木暮氏は、「一般的にCtoCでは、10万円を超える売買となると取引は鈍化傾向にある。一方、ウリドキでは高単価商材の買取依頼は多く、また商品名や商品型番が明確な商材は、掲載業者が査定を得意とし、トラブルが起きづらい」と話す。今後はデータ活用する品目の増加や、ウリドキでの買取品をそのままイーベイに出品できる機能の追加を考えている。
イーベイは世界に1.8億人のアクティブバイヤーを有する。常時13億点が出品され、年間取引高は10.6兆円。日本は真贋や商品状態・価格面で世界から高い評価を受け、取引の6割を中古品が占める。ブランド品や、有名メーカーが製造するカメラや家電、また日本らしい骨董やサブカル品がよく取引されている。
第473号(2019/10/10発行)1面