竹ノ輪、着物リユースが繋いだ3000人"誰かに着てほしい"想い託す

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竹ノ輪、着物リユースが繋いだ3000人"誰かに着てほしい"想い託す

2019年12月05日

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竹ノ輪(東京都千代田区)では、不用となった着物のリユース「キモノ里親探し」(以下、キモサト)を14年から運営する。身内での交換会が徐々に拡大し、延べ600回開催、7400点の着物と3000人を集めた。

「キモサト」では、着なくなった着物を集め、希望者に低価格で譲る。出品者が自由に価格を設定するため、30万円ほどの着物が5000~6000円で取引されることもあった。「場合によっては1万円台で着物一式が揃えられる」(竹村圭介代表)。購入があった場合、出品者には金額の30~50%が還元される。

竹村圭介 代表竹村圭介代表

始まったきっかけは、着物好きの知人から預かった着物の交換会だ。竹村氏は「着物を着せあって喜ぶ姿を見て、本人がとても喜んでいたのが印象的だった」と振り返る。小さな取り組みが年々広まり、15年に45万円だった売上が、18年は約420万円まで伸びた。

告知はWebとSNSのみ。半蔵門の店舗を中心に運営を行うが、東京・神奈川で出張展示をすることもある。30~50代女性を中心に、見知らぬ人同士でも着物を着せあって盛り上がり、仲良くなる光景がよくみられるという。19年3月に神保町の路面店で開催したときは32名がレジ通過した。

現在、古民家での落語会や観劇会等も主催する。また今後は引き取り手のいない着物をウズファブリック(運営:ウズ、東京都世田谷区)の着物アップサイクルブランドが引き取り、ストールやワンピースへとアップサイクルする。「誰かに着てほしいという想いも着物と一緒に引き取っている。その安心感が、事業が続いている理由だと思う」

第476号(2019/11/25発行)7面

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