ケアーズ、海外投資家の参入でアンティーク時計高騰

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ケアーズ、海外投資家の参入でアンティーク時計高騰

2020年01月01日

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アンティーク腕時計専門店を運営するケアーズ(東京都江東区)が好調だ。具体的な数字は明かさなかったが「ここ3~4年で(売上は)非常に伸びている」という。海外の投資家の参入が背景にある。だが同社はビギナークラスの顧客の獲得にも余念がない。

同社には10名の時計職人が在籍し、60年代までのアンティーク時計を取り扱う。メンズ向けの森下店、レディース向けの表参道ヒルズ店、男女とも訪れる東京ミッドタウン店の計3店舗を展開。男性客が全体の7~8割を占め、平均単価は男性で60万円、女性で20万円ほど。

ケアーズ森下本店ケアーズ森下本店

同社の海外顧客がここ数年で増えており、現在台湾とシンガポールのロイヤルカスタマーがいる。川瀬友和会長はアジアの若い起業家たちがアンティークに目を向け始めたと見ている。「海外はアンティーク時計の相場がずっと上昇中。海外の投資家はいまや美術品ではなくアンティーク品に投資を始めていると思う。特に人気なのが50~60年代のロレックスのスポーツモデルだ」

同社は上昇を続ける相場に危機感を募らせる。トップクラスが増えるとビギナーの顧客が入りにくいと考えるためだ。相場が上昇する今でも、幅広い顧客層を相手にするスタンスは変えないと強調する。狙いは長期で見たリピーターの獲得だ。このほど川瀬友和氏から社長を引き継いだ福住洋社長は語る。「アンティーク時計はマニアックな世界。嗜好を続けていればビギナーでも、5~20年続く大事な顧客になる」

福住洋 社長福住 洋 社長

第478号(2019/12/25発行)6面

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