幻と言われるセイコーダイバー 製造期間2年の人気モデル
2020年04月24日
この店で一番高いモノはこれだ!Vol.8
時計貴族(北海道札幌市)
幻と言われるセイコーダイバー
製造期間2年の人気モデル
様々な業態のリユース店を訪問し、その時点で店頭に並ぶ一番高い商品を紹介するこのコーナー。今回は北海道札幌市の時計買取専門店「時計貴族」。一番高い物は約50年前に販売されたセイコーのダイバーズウォッチ6215-7000、通称《62ダイバー》です。
セイコー ダイバーズウォッチ 6215-7000《62ダイバー》
造年代:1967年、プロフェッショナル300mダイバー
テイアイカンパニー(北海道札幌市)が運営する時計貴族は2017年にオープンした北海道で唯一の時計買取専門店だ。そのため、道内から希少な時計や高価な時計が数多く持ち込まれる。セイコーのダイバーズウォッチ6215―7000、通称も《62ダイバー》もその一つだ。
62ダイバーは1967年から68年の2年しか製造されなかったことから「幻のダイバー」と言われ、歴代のセイコーダイバーの中でも1、2を争う人気モデルだ。
高い防水性を誇るダイバーズウォッチには、通常、ヘリウムエスケープバルブが付いている。深海から水面に上がってきた時に、ヘリウムの圧によって時計が爆発するのを防ぐためだ。
「ところが62ダイバーは、防水300メートルでありながら、外部の空気すら入れない仕様になっており、バルブをつけていないんです。そんなサムライ魂、すごくカッコ良さを感じませんか?」と語るのはマネージャーの工藤淳氏。
インデックス、ハンド(針)、レター、カレンダーフチもゴールドで、ハイスペックでハイクラス。日本にも現存する個体は非常に限られているため、90万円(税抜)の値付けとなった。
店舗では宝飾品やブランド品、金券の買い取りも行なっている
希少な時計も預かり対応なし
「一時期、よくご利用頂いたお客様からお買い取りしたものです。まだお客様が小さかった時、知り合いのガチなダイバーさんから『新しいのを買ったから、あげるよ!』とプレゼントされたとか。ベゼルなどは使いやすいようにカスタマイズされています。一番人気のモデルですし、そのエピソードも面白くて、お買い取りさせて頂きました。今後、値段はさらに高騰していくと思われます」(工藤氏)。
同店はどんなに珍しい時計であっても、預かり対応なしに査定して買い取れるのを強みとしている。
HUBLOT(ウブロ)のビッグ・バン ウニコ サンブルー キングゴールド。
世界限定100本の希少モデルを買い取ることもある
「お客様に喜んで頂く」をポリシーに理由づけして値段提示
「とにかく時計が好き」と語る工藤氏は、31歳ながら、老舗百貨店の時計売場で10年の経験積んだ時計のエキスパートだ。ポリシーは「とにかくお客様に喜んでいただくこと」。例えば査定額がお客の希望金額まで届かない場合でも、しっかりとその理由を伝えてから値段提示をするようにしている。店は札幌の繁華街すすきのに近く、夜の仕事をしている女性をはじめ、10代から60代まで、様々な人が訪れる。「この仕事は毎日いろいろな人と時計に出会え、経験値が増えてレベルアップできるので、本当に楽しい」と語る。
マネージャー 工藤 淳氏
第485号(2020/4/10発行)17面