ソーイングセンターjoy、手作りマスクでミシン修理特需 問合せ3倍に
2020年05月23日
知っておきたいリペア
リユースをとりまく環境で、今「リペア」の存在感が高まっている。注目すべき企業を紹介する。
ミシンの販売・修理・中古買取などを20年以上手がけてきた『ソーイングセンターjoy(東京都立川市)』で修理依頼が増えている。新型コロナウイルスによるマスク不足で、手作りマスクの需要が急増し、地域密着経営を行う同店にミシン修理の依頼が相次いだ形。
マスクを制作する人が急増している
「お客は近隣にお住まいの高齢女性が中心。布マスクを作ろうと10~20年ぶりに出たミシンがうまく動かず、うちに依頼が来ている」と松浦誠社長は話す。
松浦誠社長
同社は東京・埼玉で計3店舗を運営。月間平均修理が通常は1店舗あたり100件ほどだったが、2月ごろから増加。直近の依頼件数は3倍の300件を見込む。持ち込みの他に出張にも対応しており、こちらも1日1件程度だった依頼が3~4件に増えている。
こうしたミシンの修理は店舗から50メートルほど離れた工房で行う。修理部位は様々で、メーカーから部品を取り寄せるほか、部品取り用のミシンから本体内部のパーツを取り出して修理に使う。
同店は、高品質なミシンを販売し手厚くサポートを行うことで家電量販店などと差別化してきた。「うちは良いものを長く使って頂く方針。1万円台のミシンは絶対売らない」と松浦社長が言うとおり、店頭の商品は5万円台から。20万円近い商品も珍しくない。刺繍に対応するミシンなど、高価な特注品の修理を法人から受け付けることも多いという。
コロナショックによる手作りマスクブームを機に、ミシンの有用性を訴えていきたい考えだ。
第487号(2020/5/10発行)18面