再開遠のくフィリピン古物市
2020年05月25日
都市封鎖6月まで延長
有力な中古品輸出先であるフィリピンの都市封鎖が6月まで延長されることとなり、現地古物市場の再開が遠のいている。市場休会により商品が捌けず、会場や倉庫にコンテナが滞留し限界値に達している。再開しても、新規荷物の受け入れや現金化が夏頃まで伸びると予想される。
3月15日に始まった都市封鎖が延長発表されたのは3度目になる。首都圏以外では条件付きで徐々に経済活動の再開が許されるも、マニラやセブでは厳しい規制が続く。また、全域的には不特定多数が集うオークション業の再開は見通しがつかずにいる。
バレンズエラなどで開かれる「フジ・ジャパンオークション」(運営:ゼロプラス・愛知県豊橋市)は、3月16日を最後に休会。現在コンテナ80本分が滞留している。現地運営責任者の下里康敏氏は、「再開しても、新規の荷を競りにかけられるのはさらに1ヵ月半はかかる」と話す。また、ビニャンで開かれる「ATC JAPAN AUCTION」(運営:エコレグループ・東京都町田市)でも、コンテナ10本以上が滞留。現地では特別に許可を得た者だけが物流や倉庫業務に従事できることから、辛うじて小物雑貨だけを取り出してネット出品し、一部既存バイヤーに販売するなど対応をとっている。
コロナ前の古物市
第488号(2020/5/25発行)1面