バイイー、自社流通網活かし 台湾向け越境注力
2020年07月07日
Borderless!
海外越境最前線 購入代行サービス最新動向
航空旅客便の減便に伴い、4月からEMSが停止するなど物流に大きな影響が出る中で、購入代行を行う事業者に注目が集まった。コロナ前と比べ、売れ筋の商品や地域も大きく変化したようだ。最新の状況を聞いた。
バイイーは台湾とつながりが深い
海外向け購入代行サイト「Buyee」(バイイー)では、コロナ以降、流通量が伸びている。特に自社で流通網を持つ台湾が堅調だ。
バイイーは国外のバイヤーが国内ECの商品を買える越境ECサイト。ビーノスグループのビークルーズ(東京都品川区)は、国内事業者向けに、バイイーなどを活用して海外への販売支援を行っている。
コロナによる物流が滞る一方で、ECの需要は旺盛であり、バイイーも3月の購入金額は前四半期と比べ131%、新規会員登録者数は164%となった。最も需要が伸びたのが香港で、台湾、米国の購買も旺盛だった。
グローバルマーケテイング担当 岩本夏鈴氏によると、こうしたユーザーは目的買いが多いといい、自国のECで買えない商品をバイイーで見かけて購入する傾向にあるという。
グローバルマーケテイング担当 岩本夏鈴氏
そんな同社が今後注力するのが、台湾向けの越境販売だ。同社では台湾向けに「Buyee空運」「ECMS」等の物流網を確保している。
「台湾はコロナから回復が早く、日本から近いため送料が安く、また親日国であり売れやすい。当社の場合は、ネットとリアル両輪の販促を行えるのが強み」(岩本氏)
バイイーでの販売は、自社ECに誘導バナーを貼り、商品情報を入力することで可能となる。注文1件ごとに送料のほか、300円の手数料が発生する。
第490号(2020/6/25発行)15面