大黒屋のブランド買付け、1人で月1億4000万円

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「バイヤーの力-buyer story-」

大黒屋のブランド買付け、1人で月1億4000万円

2014年03月13日

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年商152億円を売り上げる、質の大黒屋(東京都港区)。同社に並ぶ豊富なブランドバッグや時計は、バイヤーたちが買い集めたものだ。中でも取締役営業部長の鈴木豊さんはトップバイヤーで、月間1億4000万円を買い付けている。主戦場はブランドの古物市場だ。

鈴木さんは1ヵ月の内20日間、6〜8ヵ所のブランド市に参加している。

参加する市場は、月を前・中・後に3分割して、それぞれで物量が多く大きな出来高の所を選んでいる。

「大きな市の落札価格で中古の相場が決まっていく。今は相場の変化が速いので、それを把握するためにも前中後の大きな市に顔を出すようにしています」

丸2日、夜中まで下見に費やす

市場のバイヤーは過酷な仕事だ。大会形式の場合は、下見に平均2日を費やす。競り日だけ見るとブランド品を次々と競り落としていく姿が華やかだが、その裏側にあるのは地味な作業だ。何千点という商品のコンディションを1点1点確かめ、落札価格を決めていく。デジカメで撮影しておいて帰宅後調査し、価格を決めるものもある。

鈴木さんは、バイヤーに第一に求められる資質として「真面目さ」を挙げる。

「下見は長時間かけて行う地味な作業。夜中まで時間をつかって一生懸命値決めをしたにも関わらず、もちろん落札できないものもある。それでもきちんと取り組める真面目さがないと、利益をとることができません」

10年前と比較して、今は粗利益額が大きく削れている。例えば「上代19万8000円の商品は、昔なら10〜12万円で落札できた。今は17万5000円かけないと競り落とせない」価格を見誤ると、途端に損をするゆえに繊細な値付けが必要だ。

プロフィールと横顔

昭和47年、東京生まれ。千葉商科大学商経学部卒業後、大黒屋に入社。現在は同社の取締役営業部長をつとめる。
過去求人を募集していない大黒屋に電話をして応募。一度断られたが再トライして採用される。同社は当時、社員全員が勉強のために市場に参加していた。休日をつかって様々な雑用をしなければならないので次々と他の社員が脱落。その中通い続けたのは「市場に行けば商品のことを覚えられると思ったから」だ。現在バッグ系の市場は特にバイヤー同士仲が良い。特に同級生グループを「ねずみっこ倶楽部(干支から)」と呼び親交を深めている。

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339号(2014/03/10発行)16面

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