小規模店がクラファン
「思い」で目標金額50万円達成
コロナ下で新たな資金調達の方法として注目されるのがクラウドファンディングだ。古着店のスティックアウトやブルームなどが実施し、業界で話題を集めた。それに先がけ2年前、石川にある小さな制服リユース店が実施し、50万円の目標金額を達成していた。なぜうまくいったのか? 店主に話を訊いた。
目標金額を達成した
ラーメンにビール? 返礼品で訴求
同店はそれまでホテルに借りた小さな一角で事業を営んでいた。だが、事業が軌道に乗ったこともあり店の移転を検討していた。そこで付き合いのあった会社社長に相談したところ、資金調達の成功事例としてクラウドファンディング(以下、CF)を紹介された――。
現在はキャンプファイヤが運営しているFAAVOにてCFを実施。「返礼品は充実したほうが良い」というアドバイスをもとに、池下奈美代表はこれまで勤めてきた会社・店や面識のある業者に声をかけて返礼品を準備。制服リユース店ではあったものの、ラーメンやビール、オリジナルグッズなど多様な返礼品を揃えた。他にも、手製のハガキの送付や買取金額アップ・購入金額オフのチケット、協力企業として同社HPでの紹介なども用意し、1500円~4万円の間で20種類の返礼コースを設けた。CFでは目標金額の50万円を上回る55万円を調達したが、結果的にその半分以上を返礼品の準備や送付などの経費に使った。「FAAVOには手数料として合計調達金額の20%を支払っている。だから本当に儲けはないです」と池下氏は苦笑する。
第500号(2020/11/25発行)17面