~生前整理ダイアリー~
思い手に寄りそって Story17
年齢を重ねるに従ってゴミを捨てることが億劫になり、家がゴミ屋敷化してしまう人は少なくありません。今回はゴミの為に住み慣れたアパートの立ち退きを余儀なくされた男性のエピソードをご紹介します。
アイワクリーンのホームページ。遺品査定士の資格を持つスタッフもいる
ゴミ山の上で暮らす仙人決して怒らずハチもなつく
「あんな人に会ったことは一度もありません」。アイワクリーン(岐阜県可児市)の芝田健二代表は昨春、生前整理の現場で出会った男性についてそう語る。それは「ゴミ屋敷状態になっている部屋を片付けて、空にして欲しい」というアパートのオーナーから依頼された案件だった。
そこに住む男性はもう30年もそのアパートのワンルームを借りているが、ある時からゴミの分別が複雑になり、それが原因でゴミを捨てられなくなってしまったらしい。
オーナーは「長年きちんと家賃を払い続けてくれたから、出てくれというのは忍びないのだけれど、苦情が来ていて、かばうのも限界なんだよね」と事情を説明してくれた。
第504号(2021/1/25発行)19面