中古ブランド品・宝飾品売上ランキング2024(2023年度)
2025年02月17日
中古ブランド品・宝飾品の売上ランキング2024がまとまりました。
リユース業界専門紙「リユース経済新聞」がリユース企業の売上を調査、ネット売上のTOP20社をランキング形式で紹介します。尚、売上高は2023年度の実績値となります。
1:中古ブランド品・宝飾品売上ランキングとは?
中古ブランド品・宝飾品売上ランキングは、リユース経済新聞が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとにブランド・宝飾品の販売割合や販売量を算出し、紹介しています。
主にシャネル・エルメス、グッチなどのブランドバッグや、ロレックスやパテックフィリップなどのブランドウォッチ、金銀プラチナや宝石類などのジュエリー&アクセサリーを取り扱う企業が対象になります。
その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:リユース売上ランキング2024 BEST300(2023年度実績)
「リユース売上ランキング2024」調査概要
調査概要:2023年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。23年4月から24年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を23年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)。
調査期間・方法:2024年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた。
2:中古ブランド品・宝飾品の市場規模は?
ランキング入りした企業の紹介に入る前に、中古ブランド・宝飾品の市場規模についてご紹介します。
2023年度のリユース業界の市場規模は3兆1227億円となり、前年比7.8%増、14年連続で成長を続けています。そのうちブランド・宝飾品市場規模は3656億円で、前年と比べて19.4%成長しています。
年々規模を拡大しているブランド・宝飾品のリユースは、リユース市場全体の1割以上の比率です。特に状態の良い日本の中古ブランド品が海外で高く評価される傾向で、インバウンド客の回復などを背景に、今後も成長が見込まれる分野と言えます。
3:売上ランキングTOP20社を紹介
ここからは、中古品(リユース)ブランド・宝飾品売上ランキングのTOP20社を紹介していきます。※印はリユース経済新聞の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
20位 大黒屋ホールディングス(大黒屋) ブランド品・宝飾品売上 ※106.7億円
20位は、大黒屋ホールディングスです。中古ブランド品の買取販売や質預かりを手掛ける「大黒屋」を、関東中心に展開しています。黄色の看板が特徴で、 競合店と比べ小売り及び質預かりに強みを持ちます。同社ではAIを活用した自動査定システムを法人向けに提供しています。
19位 デファクトスタンダード(ブランディア) ブランド品・宝飾品売上 ※116.4億円
19位は、デファクトスタンダードです。宅配買取サイト「ブランディア」の運営のほか、同屋号のブランド買取専門店とオンライン買取の「ブランディアBell」を展開しています。24年4月よりオークネット傘下に入りました。
18位 トリアイナグループ(こやし屋、ヒカル買取鑑定団)ブランド品・宝飾品売上 117.6億円
18位は、トリアイナグループです。出張買取の有力企業であり、買取専門店「こやし屋」も展開しています。24年4月には銀座に小売店をオープン。7月からは一般消費者向けにスポーツオークションを運営しています。
17位 K-GOLDインターナショナル(リサイクルキング、アリア)ブランド品・宝飾品売上 121.6億円
17位は、K-GOLDインターナショナルです。貴金属・ジュエリー・ブランドの買取販売「リサイクルキング」「ジュエリーアリア」のほか、ECサイト「R&Kリサイクルキング」を展開しています。リユース売上全体の約75%をノンブランドも含めたジュエリーが占めています。
16位 Rs-Japan(ブランド楽市) ブランド品・宝飾品売上 134.0億円
16位は、Rs-Japanです。東名阪でブランド専門店「ブランド楽市」を運営するほか、古物市場「Rs-Auction」の運営も手掛けています。24年9月からコメ兵ホールディングスのグループ会社に加入しています。
15位 ネクストトゥエンティワン(ジャックロード、ベティロード)ブランド品・宝飾品売上 150.5億円
15位は、ブランド品等の買取販売を行うネクストトゥエンティワンです。メンズ時計店の「ジャックロード」やレディース時計店の「ベティーロード」など3店舗を東京・中野で運営しています。タイ・韓国等のSNSに広告を掲載するなど海外マーケティングに注力しています。
14位 PRICING DATA(PRICING DATA 、GOOD DEAL)ブランド品・宝飾品売上 ※160.0億円
14位は、時計・ブランド・貴金属品の買取り販売と輸出入を手掛けるPRICING DATAです。「JAPAN WATCH AUCTION」「ハッピー東京オークション」「ハッピープライス転売市場」も運営。また宅配・出張買取「GoodDeal」および本社での店頭買取を行っています。
13位 オークネット(ギャラリーレア)ブランド品・宝飾品売上 172.6億円
13位は、オークネットです。ブランド品等を扱うギャラリーレアを傘下に置いています。24年にはBEENOSグループのデファクトスタンダードとJOYLABを子会社化しました。同年12月からは宝石専門情報メディアを運営するKARATZと提携して宝石オークションを開催しています。
12位 アールケイエンタープライズ(ロデオドライブ)ブランド品・宝飾品売上 178.3億円
12位は、アールケイエンタープライズです。「ロデオドライブ」を国内外で10店舗運営しており、買取販売と質預かりに対応しています。24年6月に横浜駅直結の新複合施設「ザ ヨコハマ フロント」に新店オープン。同年9月にはコメ兵ホールディングスの傘下に入りました。
11位 パーパス(VINTAGE LOVER PURPOSE) ブランド品・宝飾品売上 181.4億円
11位は、ブランドバッグ等を店舗とECで扱うパーパスです。海外向けにはECモールのほかSNS、ライブコマース販売も展開。同社が持つ独自の基幹システムを生かしてマルチチャネルで商品を販売し、成長を続けています。
10位 CLOSER(−)ブランド品・宝飾品売上 193.0億円
10位にはCLOSERがランクイン。メンズブランド専門で腕時計や靴、アクセサリー類の買取販売を行っています。実店舗は1つで、ネットを中心に買取販売を展開しています。楽天等の各ECモールのほか、イーベイ等で海外にも販路を築いています。
9位 羅針(GINZA RASIN)ブランド品・宝飾品売上 200.8億円
9位は羅針です。東京・大阪等で高級時計に特化した店舗を運営しています。24年12月、ジュエリーブランド「4℃」で知られるヨンドシーホールディングスの傘下に入りました。また、今年1月には東京・新宿に「ギンザラシン 新宿店」を出店しています。
8位 STAY GOLD(BRAND REVALUE、BRING)ブランド品・宝飾品売上 219.6億円
8位は、本社を東京都渋谷区に置くSTAYGOLDです。「BRAND REVALUE」屋号でブランド品の買取りを行っています。希少性の高いアクセサリーや時計等を扱う「AWESOME」では、ヴィンテージアパレルに強いブランドとしてリブランディングを行っています。
7位 GTホールディングス(東京ぶらんど、宝美堂)ブランド品・宝飾品売上 ※280.6億円
7位は、GTホールディングスです。ブランド品の売買および古物市場の運営を行っています。24年1月にヴィンテージ品を扱う「VINTAGE QOO TOKYO」2号店を大阪・心斎橋に出店したほか、表参道店も増床するなど小売りの強化を図っています。
6位 Eco Ring Holdings(エコリング)ブランド品・宝飾品売上 326.1億円
6位は、エコリングホールディングスです。兵庫県姫路市に本社を構え、買取専門店を直営・FCで展開。また国内最大規模のブランドオークション「EcoRing the Auction」を主催しています。24年4月には第32回地球環境大賞「日本商工会議所会頭賞」を受賞しました。今年2月から新本社が稼働予定です。
5位 貴瞬(色石BANK)ブランド品・宝飾品売上 340.0億円
5位は、色石の加工・ブランディング・販売を行う貴瞬です。国内外で販路を拡大しており、海外売上高ではリユース企業トップとなりました。24年には真珠のアップサイクル事業を展開するなど商材を拡大。また同年大阪支店のリニューアルを行い、関西エリアの買取りを強化しています。
4位 ゲオホールディングス(セカンドストリート、OKURA)ブランド品・宝飾品売上 549.2億円
4位は、ゲオホールディングスです。セカンドストリートの海外展開を米国や台湾などで進めており、24年には海外店舗100店目を台湾にオープンしました。ブランド品・宝飾品カテゴリーでは、2019年に子会社化した「OKURA」が同社のブランド売り上げを底上げしています。
3位 バリュエンスホールディングス(なんぼや、ALLU)ブランド品・宝飾品売上 ※761.3億円
3位は「なんぼや」や「ALLU」を運営するバリュエンスホールディングスです。オンライン古物市場の「スターバイヤーズオークション」の運営も手掛けています。今年1月には、「ALLU」の宅配買取サービスをフランス全土で開始すると発表しました。
2位 いーふらん(おたからや)ブランド品・宝飾品売上 ※776.0億円
2位は、いーふらんです。買取専門店「おたからや」を国内1000店舗以上展開するほか、時計、宝石等を扱う「おたからやオークション」を主催しています。24年からシンガポールの新会社が本格稼働するなど海外事業を本格始動しており、アメリカ・シンガポールに拠点を広げています。
1位 コメ兵ホールディングス(KOMEHYO、BRAND OFF)ブランド品・宝飾品売上 ※1029.0億円
1位に輝いたのは、ブランド品買取の最大手、コメ兵HDです。24年3月期は小売を強化し、売上高は1194.5億円と大幅に増収しました。売上高及び営業利益は3期連続で過去最高を更新しています。24年7月には米国に子会社を設立し、ECを軸に買取りや小売りも展開予定。また創業80周年となる2028年3月期の連結売上高は、現在の約2倍強に当たる2500億円を計画しています。
4:2024年(2023年度)調査から見えた変化
本ランキングの1位は、2位と253億円の大差をつけたコメ兵ホールディングスでした。23年度はリユース売上高だけではなく、ブランド・宝飾商材の単体においても初の1000億円超えを成し遂げています。
ブランド・宝飾品分野はコメ兵・いーふらん・バリュエンスHDの3強状態ですが、各社ともビジネスモデルは大きく異なります。コメ兵は小売を軸に、古物市場や買取専門店も運営。いーふらんは買取専門店のフランチャイズ展開を拡大しています。バリュエンスは「なんぼや」を直営展開するほか、海外への店舗展開を積極的に実施しています。
特にコメ兵HDはRECLO、アールケイエンタープライズ、Rs-JAPANをそれぞれグループ化するなど、ブランドリユース領域で規模を拡大しています。
また、13位のオークネットはリユース売上高の90%以上をブランド・宝飾売上が占めています。同年にはブランド品・衣料等の「ブランディア」を運営するデファクトスタンダードと、お酒を扱うJOYLABを買収しており、来年以降は上位が期待できそうです。
そのほか、貴瞬のように独自の販路を持つ企業もブランド・宝飾の売上ランキングに食い込んでおり、各社とも今後の成長が期待できます。
5:まとめ
2023年度、ブランド・宝飾品のリユース市場規模は前年比19.4%増と、近年にない大幅な伸びとなりました。リユース市場全体に占める割合は 11.7%です。
昨今、ブランドバッグは新品定価の価格改定が相次いでおり、中古品の相場も上昇しています。23年にはダイヤモンド相場の暴落も話題になりました。そうした中、インバウンド需要の回復が追い風になり、各社が小売りを強化しています。
また、ブランド品市場では業界再編の動きが活発です。競争環境が厳しさを増す中で、体力勝負の色合いが濃くなっているブランドリユース市場。売上高100億円超の有力企業が鎬を削る本ランキングでも、今後、上位企業が様変わりする可能性がありそうです。
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