コロナ下で「終活」意識が高まる、シニア層不用品売却に意欲
2021年05月09日
コロナ下で「終活」意識が高まり、リユースの動きが加速している。フリマアプリ「メルカリ」では、60代以上の利用者1人あたりの年間平均出品数が20代の倍に匹敵。シニア層の売却意欲の高さがうかがえる。「いつ何が起こるかわからない」といった不安を抱く人が増えており、処分需要に応えられるリユース企業の存在感が一層高まりそうだ。
コロナ下「終活」でリユース促進
シニア層、不要品売却に意欲
シニアの「終活」意識は高まっている
「私も同じ高齢者。終活なんて言葉、聞いて不愉快」。2年前、愛知県などで買取店を展開する会社社長に、同社従業員が「終活サービス」を提案したところ、こう返された。死を連想させることはタブー。少し前なら頷くことができたが、様相は今変わってきている。
コロナ下となり同従業員が店長を務める買取店には、「終活」のワードを自ら用いて来店する60代以上のお客が増えているという。「今はふらりと外出することが敬遠されているが、不要な物を買取りに出してお金を得る、というのは明確な外出理由がある。昨年より今年の買取顧客は増えている」(同従業員)
東京・町田で「おたからや」を営むオーナーはこう話す。「町田市は高齢者率が30%超。店に来るのは『そろそろ片付けないと』と話す人ばかり。60代なら親の遺品整理、70代以上は自分の身辺整理というのが多い」
第511号(2021/5/10発行)1面