第13回 人生最大のしくじり!?「Part1」
ドンドン×ハンジロー僕たちのM&A
毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第13回。
悪夢のM&A、その序章
これまでも赤裸々に、本連載に「グエー」な経験を書いてきましたが、今回の「僕たちのM&A」は今まで思い出すことさえも意識的にスルーしてたくらい「イヤーな経験」でした。どうですか皆さん、脳によぎることも拒否したくなる経験ありますか?約束の支払いができないとか、倒産しそうとか、債権者さん達に怒られるとか、来週も1200万円足りないとか、10年近くエンドレスに続くこの状況は生気が奪われるほどシンドイ時もあるけど、僕の場合は大体よく寝たら忘れます。
んが、これまでの29年間の起業人生の中で何が一番辛かったか?間髪入れず8年前に行ったM&Aの事が頭をよぎります。これまで倒産1000本ノックのシンドイ気持ちを「グエエー」で表現してきましたが、この時の気持ちは本当に形容するのが難しいぐらいでした。なんて言ったらいいのか?頭も心も灰色になってだんだん固まっていくような...。
基本、天然ポジティブで「物事を前向きにとらえる力」師範代(自称)な僕も、この時は相当やられました。本当に辛いことって「信じられる人」が誰もいない状態ってことだって、身に沁みてわかりました。M&A直後の歓喜から一転、その後の、四面楚歌、智謀策謀、裏切り、反社会的悪徳ファンド介入、命からがらの売却劇。本当にノンフィクションのハゲタカ企業小説に出てきそうな面々が現れました。
第514号(2021/6/25発行)16面