三越伊勢丹、常設型 直営買取店「アイム グリーン」本格始動
2021年11月14日
三越伊勢丹(東京都新宿区)は10月1日より、常設型の直営買取店「アイム グリーン」を、昨年10月にスタートした日本橋三越本店の店舗に続き、伊勢丹新宿店での2店舗目オープンを皮切りに本格始動した。百貨店の信頼をベースに、販売のアフターサポートとしてのリユースを提案する。バリュエンスジャパン(東京都港区)のバイヤーが査定を支援する。
直営買取を本格化
日本橋と新宿の2店で
店頭での接客イメージ
アイム グリーンは東京の日本橋三越本店と伊勢丹新宿店の2店舗体制。三越伊勢丹のスタッフ10名が接客を担当し、査定と値付けはバリュエンスのバイヤーが常駐して行う。利用者は三越伊勢丹のHPから予約し来店。三越伊勢丹スタッフが個室にて接客を行う。宅配買取や、外商部門での出張買取も行っていく。
強みは百貨店の積み上げてきた信頼性と、接客スキルの高さだ。買取事業者の利用に不安を抱く層に対し、百貨店としての信頼や接客を強みに利用を呼びかけていく。三越伊勢丹は店頭販売を経験したスタッフを中心に、「商品知識や接客、背中を押す役割など、販売の経験が活きるシーンは多い」と神谷友貴マネージャーは話す。
テスト段階は順調で、20年秋から実験的に運営を行った日本橋三越店では買取額が計画比130%、年約2000件に到達。また10月から伊勢丹新宿店で開始した宅配買取は、人気のため10月下旬時点での申込みを停止している。
これまでも同社百貨店にリユース事業者がテナントインすることはあったが、アイム グリーンでは特定ブランドの高価買取にこだわらず、購入後のアフターサポートとしてのサービスを打ち出す。例えば売却が難しい品の引取りも行い、古着など一部商材は日本環境設計(神奈川県川崎市)と組み、リサイクル素材に再生する。またバリュエンスジャパンと提携することで、ニーズの大きい骨董等の適正買取へと結びつける。
当面2店舗体制で運営し、他の三越伊勢丹への展開は現在検討中。短期的には家具家電や楽器への対応を目指していく他、リユースの難しい小物類や革製品など、廃棄に繋がりやすい引取品の活用を模索する。
神谷友貴 マネージャー
第523号(2021/11/10発行)6面