ハムズ、神社のような無人店「古着神社by イッテンストア」
2021年11月15日
近年、無人店で人件費などのコストを抑えて低単価古着を販売する店舗が増加している。古着の卸などを行うハムズ(東京都新宿区)では店内商品一律300円でブランド品も販売する神社のような無人店舗、「古着神社byイッテンストア」(以下古着神社)を8月に開始。価格とテーマの良さから反響を得ている。
一律300円でブランド品も販売
店舗外観、入り口にはラックを展開
古着神社で取り扱う古着商品は一律300円。イッセイミヤケやコムデギャルソン、メゾンマルジェラなどのブランド品からノーブランド品まで様々な種類の古着アイテムを取り扱う。支払いは店内に設置されているお賽銭箱に購入金額を投入。「お気持ち代」として利用者が300円以上の価値があると感じた場合に任意で追加の金額を支払うシステムを取っている。利用者からは「本当に神社にお詣りしているみたいで面白かった」と声が寄せられるなど、お気持ち代として支払いを行う利用者が多い傾向にある。神社に来てお賽銭できる体験と古着を購入できる体験を一度に得ることができるため、強みとなっている。また、バックヤードが事務所兼倉庫になっていることから、緊急時には窓口のインターホンからスタッフを呼ぶことができる。田代芳彬代表は「ただ無人店舗で低単価販売するだけではなく、人間味の温かさを残したかった。24時間営業も考えたが、利用者の方から音が聞こえることに安心する、人がいることでほかの無人店と比べてあったかい雰囲気があると声を頂くため、差別化できる」と話す。
第523号(2021/11/10発行)7面