昭和ビンテージ洋品店 スミックス、ヴァーチャルショップを開店 立体的空間でアバターが接客
2022年03月01日
昭和20~40年代の高級中古婦人服を主に扱う昭和ビンテージ洋品店スミックス(東京都新宿区)は2月17日、ヴァーチャルショップ「昭和ビンテージ洋品店 異次元店」を開店した。3Dスキャニングしたデータをもとに商品を立体的に閲覧できたり、アバターが接客したりする。同店は福岡にも拠点があり、福岡市のDX関連の補助金から支援を受けた経緯がある。大西代表は「店の歴史でここまでの投資は初」と話し、業界の先行事例として注目を集めそうだ。
古着店が仮想空間
3Dで商品閲覧、アバター接客も
3Dで古着を確認できる
DX補助金が背中押す
「ヴァーチャルショップはヴィンテージや中古業界では初の試みだと思う。新品でも、うちのように小規模で導入した事例はないのでは」と大西澄江代表は説明する。
同店は20年に『ガイアの夜明け』(テレビ東京系)で特集されて話題を呼び、催事を中心に多くのお客を集めた。だが、コロナを受けて催事中心の事業は雲行きが怪しくなる。そこで考えたのがヴァーチャル店だった。行政が運営する無料相談所などで専門家に意見を請いながら実現可能性を検討していると、ちょうどそのタイミングで「福岡市中小企業等デジタルトランスフォーメーション促進モデル事業補助金」をネットで発見。上記は福岡市内の中小企業等を対象とした、ニューノーマルな社会に対応した事業再構築を進めるための補助事業で、最大700万円までを支援するもの。大西さんはすぐに昨年3月の説明会へと足を運んだ。
それから採択を目指し、有償でコンサルを入れて準備にのぞんだ。2次まで審査があり、ZOOMを使った面接もあった。「小規模店がDX化で収益を上げられたら、きっとモデルケースになり得る」と語り、見事採用。補助金の後押しも受けた大西さんはその後、空間デザイン・web製作・コンサル・3Dスキャニングをそれぞれ担う4社、計十数人からなるプロジェクトチームを率いてヴァーチャルショップの開設へとまい進した。上記4社に絞るまでの企業選定の工程も大西さんが主に担った。
第530号(2022/2/25発行)16面