年初から高騰し続けていた時計の古物相場にストップがかかりました。これまで相場上昇一色に染まっていたのが、ここにきてダウントレンドの兆しが見えます。今のところバッグや財布などの雑貨類、宝石に関してはネガティブな動きは見られず、投機対象としての性格が強い時計に影響が表れ始めています。
いくつかの外部情勢が要因で、ひとつには香港での新型コロナ感染拡大が影響しています。年明け以降、感染者が急拡大していることから、本稿執筆時点(3月上旬)では3月中旬頃からロックダウンが発令されるのではないかと言われています。感染拡大に伴って市内の店舗は閉まっているところも多く、ロックダウンの噂を受けてか、スーパーマーケットの商品棚はガラガラだそう。物流の停滞が見られる中、さらにロックダウンとなれば世界の貿易港たる香港だけに、古物相場への悪影響は避けられないと思います。
現在も、ロレックスのデイトジャスト系や、昨今人気が高いオイスターパーペチュアルのカラーダイアル系に相場下落の動きが見られます。安泰と見られていた定番人気のスポーツモデル系に波及していく恐れもありそうです。
第532号(2022/3/25発行)10面