中国はかつて状態の良い中古品が少なく、中古品は「品質の悪いもの」と敬遠されていた。例えば、慈善目的以外で古着を販売することは衛生上の観点から禁止されており、数年前まで古着屋がなかったほどだ。そのため、来日した中国人は日本に中古品や買取りの店が多いことに驚き、どうして日本人は古い物を買うのが好きなのかと不思議に思っていたという。
ALOOOOOHA VINTAGE(アロハ ヴィンテージ)
レトロブームの中でオープンした
北京と上海の中古ハイブランド専門店
中国で敬遠されていた中古品
今や若者中心に中古品ブームに
広々とした店内はエレガントかつゴージャスだ
ところがここ数年、中国では若者を中心にレトロブームが起こり、「要らないものを売って、必要なものを買おう」「私の不要品は誰かの宝物」という言葉が流行、大都市に中古品店が次々とオープンしている。その代表格がここで紹介するALOOOOOHA VINTAGE(アロハヴィンテージ)だ。2017年に上海の外灘に600坪の旗艦店をオープンし、4年後の2021年12月、北京の北京坊商圏に2店舗目を開業した。
スターやファッションブロガーたち
御用達のハイセンスな店
テレビ東京系列の経済報道番組「ワールドビジネスサテライト」によれば、同店の売上は2020年から21年にかけて2倍になったという。若者を中心とした中古品需要の高まりに加え、同店にとって追い風となっているのが新型コロナウイルスの感染拡大だ。富裕層やファッションに関心の高い女性たちが海外旅行に行けなくなり、爆買いの矛先が国内の高級ブランド品に向いているのだ。
第532号(2022/3/25発行)18面