高級時計相場が踊り場、急激な高騰に警戒感
2022年04月05日
コロナを契機に高騰を続けた高級ブランド時計相場に変化が出ている。2月ごろから相場が踊り場を迎え、調整局面に入った。ロレックス等を始めとする資産性の高いブランド時計は、世界経済の様々な要因を受ける商材のため見通しが立てにくく、市場に警戒感が広がっている。
21年は上昇トレンド
相場8割増も
Chrono24における新品未使用のロレックス ミルガウス
116400GVはYoY +49.7%
2021年2月 1,131,000円→2022年2月 1,693,000円
2021年の時計相場は絶好調だったと言える。腕時計専門の越境マーケットプレイスChrono24(独)のアカウントマネジメント担当、ケルビン・チャン氏は「21年夏以降から相場上昇ペースが上がり、中古モデルの買いにくさが増していた」と指摘する。
コロナを要因としてスイスの時計製造・輸出が減少、需給バランスの偏りが拍車をかけた。オーデマ・ピゲロイヤルオークの取引金額は21年1月から12月までで平均81%上昇。日本からの出品価格は同期間で210%高まった。また定番商品のロレックス・デイトナ、オイスターパーペチュアル、GMTマスターⅡの取引金額も上昇。セイコー スピリットは欧州で支持する声が増え、過去5年で約92%高くなり、21年には平均26%上昇した。同社マケプレ出品数は前年比105%に達し、約50万本の時計が流通した。
相場高騰を受け小売店頭価格も上昇した。愛知県内で買取店と質店を運営する新英ホールディングスグループのアールズトラスト(愛知県岡崎市)では高級時計の価格が軒並み上昇。ロレックスのデイトナ116500LNは2月から3月前半にかけ、1ヵ月で100万円以上上昇したという。
第532号(2022/3/25発行)24面