近年、一人暮らしの高齢者の孤独死の急増に伴い、事後処理の費用を誰が払うのかが問題となっています。今回は賃貸住宅で孤独死した弟の相続を姉が途中で放棄してしまい、法的な手続きが終わるまで遺品整理が凍結されてしまったケースをご紹介します。
おかたづけタムラ(神奈川県小田原市)
冷蔵庫の残置物さえ処分は違法に
小田原市を主なサービスエリアとする地域密着型企業だ
タムラ・エージェントが運営するおかたづけタムラ(神奈川県小田原市)は、小田原市を中心に地域密着型の生前整理や遺品整理、片付けなどを提供している。また、別法人でインターネット販売事業を行っており、取引先との信頼関係を活かした高価買取を強みとしている。最近、同社は賃貸物件のオーナーからの依頼で室内の特殊清掃と遺品整理を行った。
亡くなったのは60代後半の男性で、道路工事のガードマンをしながら生活していたという。
当初は故人の70歳になる姉が特殊清掃と遺品整理の費用を払うことで話が進んでいたのだが、周囲からアドバイスを受けたのか、途中でこの姉が相続を放棄してしまった。弟とは長年疎遠だったという。そうなると、特殊清掃や遺品整理の費用は賃貸住宅のオーナーの負担になる。
第536号(2022/5/25発行)23面