大型商業施設への古着店出店が加速
2022年10月10日
古着店の大型商業施設への出店が加速している。従来、新品の女性向けSCブランドやファストファッション中心の大型商業施設はメンズ中心の古着店を敬遠するところが多かった。それがコロナ禍あたりを境に、古着店の出店が相次いでいる。その背景に何があるのか探ってみた。
背景にコロナ禍と新たな顧客層開拓の必要性
3peace商業施設進出の端緒を開いたラスカ茅ヶ崎店(左)。旗艦店のららぽーと湘南平塚店は古着店と知らず、入るお客が多い(右)
出店理由はコロナ禍と新たな顧客層の発掘
3peace(神奈川県茅ヶ崎市)は、運営する20店舗の内、18店舗を大型商業施設に出店している。店舗事業部副部長で、ららぽーと湘南平塚店など、3店舗のマネージャーも兼任する阿部璃莉愛氏は、出店の理由は2つあると言う。
「一つはお客様のニーズに応えるためです。コロナ禍以降、都心に足を運ぶ人が減少し、地元のショッピングセンターで買い物する人が増えました。もう一つは、路面店だとアクセスできないお客様に古着の魅力を伝えられることです。例えば、ららぽーと平塚店では3〜4割のお客様が古着初心者です。大型商業施設にはユニクロやGUなどが入っていることが多く、当店ではそうしたファストファッションとの組み合わせを提案しやすい商材も提供しています」
TikTokなどのSNSで情報発信すると、近くに来て欲しいという声が多い。同社では2年以内に大阪と福岡に倉庫を出し、その周辺地域での出店を視野に入れている。
第545号(2022/10/10発行)7面