レディース7割・メンズ3割という構成で古着を販売するamaterasu Directing studio(東京都品川区)は顧客の性別問わずレディース・メンズ両方の古着を提案する古着店として注目を集める。事前予約制のコーディネートプランも用意し、男女の枠にとらわれない古着の可能性を伝えていきたい考えだ。
予約制でコーディネートも
店内にはレディースを中心にあらゆる種類の古着が揃う
同店の代表兼スタイリストの宇田郭一氏は18歳の頃に広島から上京し、古着店を営んできた。現在店舗は2店構え、うち1店が2年前に開店したジェンダーレス古着店のamaterasu Directing studio。同店の開店の経緯はこうだ。ある女性アスリートが急遽、ファッションショーに着用する衣装のコーディネートを依頼してきた。もともと大手メーカーが衣装提供する予定だったが、コロナ禍の影響で降りてしまったという。そこで界隈で知られたスタイリストである宇田氏を代打として頼り、メンズライクな古着の提案を求めたのだ。それまで顧客からは自身の性についてカミングアウトされる機会がなく、ジェンダーレスな品揃えや提案にさほど手ごたえを感じていなかったが、宇田氏はそこでようやく自身のセレクトに可能性をおぼえ、2年前にコンセプト店 amaterasu Directing studioを開いた。「ほんの4~5年前まではブランドの知名度やメンズ・レディースのくくりで古着を選ぶお客が多かったが、この2、3年でデザイン重視で買う層がぐっと増えた。時代の変化が著しい」(同氏)。
第560号(2023/05/25発行)19面