主に1990年代に流通した小型の「8cmCD」を覚えているだろうか?当時国内アーティストのシングルCDのリリースで使用され、「短冊CD」とも呼ばれた。その後直径12cmの「マキシシングル」が登場し、わずか10年ほどで姿を消したが、現在再評価されつつあるという。レコードブームに続く存在として、中古レコード・CD店が期待を寄せている。
「小さくて可愛い」若年層が新鮮味
以前は店頭にほぼ置いてすらなかった
パッケージが隠れない、8cmCDの専用什器を使用 @C-STATION
「8cmCDは、3年くらい前からジワリ来ている印象です。レコードがブームになり始めた時と、動きが似ている」と話すのは、ココナッツディスク池袋店(運営:ワンネス、東京都三鷹市)の中川晃宏店長だ。
同店は、中古レコードとCDを扱う販売店を都内に3店舗構える。池袋店の店頭在庫は1万5000〜2万点。CDは約5000点で、そのうち8cmCDは100〜200点を占める。8cmCDは以前、店頭にほとんど置いてすらいなかったものの、現在はCDスペース内に専用のケースを設けるほどの力の入れようだ。
注目されるようになったのには、2つの理由が考えられるという。1つ目は、新品で流通していた当時に馴染みがない層が、物珍しさを感じていることだ。特に若年層が、長方形のアートワークに対し「小さくて可愛い」と、新鮮味を感じている。
また、外国人からも関心を集めている。8cmCDは、海外でも発売されていたが、日本よりも早期に衰退したため、馴染みがない人も多いためだ。マイケル・ジャクソンなど人気の海外アーティストも、8cmCDは日本でのみリリースしていたケースが少なくない。
40坪ある店舗のうち、8cmCDの売り場が約1割を占めている @C-STATION
第564号(2023/07/25発行)11面