今回の旅でもっとも手こずったのは、「Thumua dong ho Rolex Saigon」というリユース時計屋です。なにしろこのお店、場所がまったくわからない!正確にいえば「ここにある」という情報は事前に把握していたのですが、いざその場所へ向かってもそれらしき店が何もないんです...。いったいどういうことだ?と同じところをグルグルと、傍からみればまるで不審者だったでしょう。
看板のない「闇」取引の中古時計屋を探し求めて
表向きはバー営業
その理由とは...?
そんなこんなで日が暮れて雨も振り出した頃、ようやく目当てのお店を見つけました。なんとこの時計屋、表向きはバーとして営業を行っており、予約を受けたときだけプライベートで取引を行う「闇」な形式だったんです。そりゃ、見つからないのもしょうがありません。
案の定、このバー兼時計屋さんはとってもディープな雰囲気でした。年季の入った皮カバンからキラキラ輝くROLEXやOMEGA等の高級時計が目の前にジャラジャラと並べられ、客である我々が自分たちの眼を頼りに自力で「鑑定」を行うことになります。とはいえ、万が一の事や不良品であった場合に備え、1年間の保証もついてくるとのこと。
第568号(2023/09/25発行)19面