毎日ピンチ、でも倒産はしたことない!?古着で一世を風靡するドンドンアップ(岩手県盛岡市)岡本昭史社長による凄絶ノンフィクション体験記の第40回。
古着がゴミ!?巨大なゴミ山の頂上から見えたものは・・
自分の目で疑惑を晴らしたい
今回のアフリカ渡航の目的は大きく3つ。(1)とにかく気持ちを癒やして全快すること(2)古着のみならず中古品のマーケットを調査すること(3)各国から送られた古着がゴミになっているという疑惑を晴らすこと。
(1)、(2)はかなりうまくいっている。問題は(3)だ。近年SNSや、ヨーロッパのドキュメンタリー番組等で古着のごみ問題が取り沙汰されていた。要するに先進国が無理やり古着を途上国に送り付けて、その大半がゴミとなりアフリカの環境が汚染されている、というものだ。この問題について僕はかねてから懐疑的だった。カンボジアで6年以上古着を販売したけれど、余るものなんてそうそうなかったし、都心部で売れないものでも地方では需要があったからだ。
様々な記事の論調は総じて、ガーナの首都アクラにある"アグボグブロシー"と呼ばれるゴミ集積場の巨大なゴミ山、その大半は古着だ、というものだった。その場所では小学校にさえ行けない貧困層の子供達がゴミを漁って生計の足しにしている。またゴミを燃やすことで、CO2はもちろん有毒ガスも発生し、地域住民の健康にも悪影響を与えていると言われていた。確かに写真や映像で巨大なゴミの山を見ると「古着の山」に見えなくもない。しかし疑いを持っていた僕は、自分の目で確かめたかった。そこで、実際に問題となっているアグボグブロシーと、ビーチに古着が廃棄され海を汚染していると言われているジェームスタウンの海に何度か行ってきた。
第568号(2023/09/25発行)22面