新生活シーズンを迎え、商戦の最中にある「洗濯機」。新品と中古で、トレンドが異なる実態が見えてきた。ドラム式洗濯機の普及が一次流通で進む一方、二次流通では年々人気が下落。縦型が安定的な需要を獲得し続けている。
「乾燥機能が使いづらい」課題
GfK Japan(東京都中野区)の調査によると、2023年の洗濯機の市場規模は490万台となった。タイプ毎の数量構成比は、ドラム式が21%、縦型が77%。縦型が圧倒的なシェアを占める一方、ドラム式洗濯機の構成比は、2021年が17%、2022年が19%と伸びている。だが二次流通では、2019~2020年頃がドラム式洗濯機の人気のピークだったと、複数のリユース店の取材から見えてきた。
「中古ドラム式は
月1しか売れない」
リサイクルオフ
7~8キロ容量では日立のビートウォッシュが人気を博している。同商品をドラム式と比較・検討するケースが多い。糸くずフィルターが使いやすく、ゴミに触れず捨てやすい点も選ばれるポイントだという
遊遊市場
ハイアールで2022年に販売されたもの。5.5キロの容量で1万8000円の価格に設定。同店では容量と値段で洗濯機を検討するケースが一番多く、5.5キロ以下が豊富なハイアールやハイセンスが選ばれやすい
総合リユース店、リサイクルオフ(神奈川県川崎市)の都築店では、2019年頃にドラム式洗濯機が毎月数台売れていた。だが現在は月間1台しか買い手がつかない状態に。縦型はエンドユーザーのみで月間30台ほど売れ、大きな差がある。ピーク時はドラム式のデザイン性や物珍しさが注目を集め、ファミリー層だけではなく単身の学生や20代も購入していた。だが2020年頃から、安価な品を求める動きが加速し始めている。
同店の中古ドラム式洗濯機の販売価格は、10万円前後だ。10万円以上の品が特に動きづらい。縦型は、単身者に売れやすい4.5~5.5キロ容量が1万~2万円で、ファミリー層に人気の日立のビートウォッシュは、2021年式の8キロ容量で4万9800~5万9800円に設定している。
第581号(2024/04/10発行)13面