中古家具・中古家電売上ランキング2024(2023年度)
2025年02月27日
中古家具・家電の売上ランキング2024がまとまりました。リユース業界専門紙「リユース経済新聞」がリユース企業の売上を調査、中古家具・家電売上のTOP15社をランキング形式で紹介します。尚、売上高は2023年度の実績値となります。
1:中古家具・中古家電 売上ランキングとは?
中古家具・中古家電売上ランキングは、リユース経済新聞が毎年1回、全国のリユース企業を対象に行う調査「中古(リユース)売上ランキング」をもとに、中古家具・中古家電の販売割合や販売量を算出し、紹介しています。
業界内で「冷洗」と呼ばれる冷蔵庫・洗濯機を始め、テレビ、レンジやトースター、掃除機などの家電と、家具分野ではデスクやチェア、ソファや収納、照明器具などのインテリア等を取り扱う企業が対象になります。
その他、総合的な調査結果はコチラの記事を参照ください:リユース売上ランキング2024 BEST300(2023年度実績)
「リユース売上ランキング2024」調査概要
調査概要:2023年度におけるリユース売上高を基に順位付けを行った。23年4月から24年3月までのいずれかを通期決算月として締めたリユース売上を23年度実績とした(一部企業においてはその限りでない)。
調査期間・方法:2024年5~6月に、インターネットフォーム、FAX、電話、メールのいずれかで回答を受け付けた。
2:中古家具・中古家電の市場規模は?
ランキング入りした企業の紹介に入る前に、中古家具・中古家電の市場規模についてご紹介します。
リユース経済新聞の調査では、2023年のリユース市場規模は、3兆1227億円。そのうち中古家具・中古家電の市場規模は2775億円で、前年と比べて1.0%の成長をしています。
中古家具・中古家電はサイズが大きいためフリマアプリなどのCtoC取引が難しく、廃棄時の労力もかかります。そのため、不用品回収や片付けサービスを行うリユース事業者のニーズが高いと言えるでしょう。引越し事業者と提携し、引越しのタイミングで中古家具を仕入れる事業者も見られます。
昨今では、物価高の影響で消費者の節約志向が高まっています。家具家電は新品と中古の値段差が大きいものも多く、コストパフォーマンスに優れた商材として、価格高騰等が進むなかで求められ続けることが予想されます。
3:売上ランキングTOP15社を紹介
ここからは、中古家具・家電売上ランキングのTOP15社を紹介していきます。※印はリユース経済新聞の推計値、正確な数字とは異なる場合があります。
15位 大宮電化(ハードオフ、オフハウス)中古家具・家電売上高 5.1億円
15位は、本社を埼玉県さいたま市に置く大宮電化です。ハードオフFCジーとして「ハードオフ」、「オフハウス」、「ホビーオフ」等を展開しています。24年1月に実施した「ハードオフ・オフハウス久喜店」の建替えが寄与して、24年度の売上高は前期比110%超の予想です。
14位 フジヤカメラ店(フジヤエービック)中古家具・家電売上高 6.2億円
14位は、東京都中野区に本店を構えるフジヤカメラ店です。カメラやオーディオの販売およびリユースを行っています。東京・中野で4店舗を展開しており、カメラや映像編集機器のほか三脚やジャンク品の取り扱いも。買取販売はECでも行っています。
13位 ワットマン(ワットマンテック)中古家具・家電売上高 6.3億円
13位はワットマンです。家電の「ワットマンテック」、アパレル・家具の「ワットマンスタイル」を主軸に総合リユース店を手掛けています。近年、総合リユース店の商材を切り出したスピンオフ業態を展開。カメラ商材が成長し、24年10月には中古カメラ専門店の2号店「コピス吉祥寺カメラ買取センター」をオープンしました。
12位 ウォーク(再良市場)中古家具・家電売上高 6.4億円
12位はウォークです。愛知県と岐阜県でリサイクルショップ「再良市場」を運営しています。同ショップでは家庭用の家具・家電などを買取販売しているほか、オフィス家具などを扱うショップも展開。ヤフオクを活用したEC販売、海外への輸出事業にも手広く対応しています。
11位 テンポスホールディングス(テンポスバスターズ、テンポスドットコム)中古家具・家電売上高 7.2億円
11位は厨房機器のリユース最大手、テンポスホールディングスです。厨房機器・業務用家具などの販売を担う物販事業、情報・サービス事業等を展開しています。最近では大型店の出店を加速しており、5年以内に120店舗まで拡大する計画です。これにより未出店エリアへの進出および販売面の強化を図ります。
10位 ドラゴンキューブ(萬屋)中古家具・家電売上高 11.2億円
10位はドラゴンキューブです。青森県青森市に本社を構え、エンタメ商材に強い総合リユース店「萬屋」「ザ・グレートヨロズヤ」を運営しています。取り扱い商材は、ゲーム機やトレカ、家電など。23年から岩手県や青森県など東北地方で店舗網を拡大しています。
9位 マーケットエンタープライズ(高く売れるドットコム、ReRe) 中古家具・家電売上高 16.7億円
9位は、農機具を扱うマーケットエンタープライズです。ネット集客による出張買取を中心にリユース事業を展開しています。24年9月にはバイク王&カンパニーが運営する「バイク王」と業務提携を結びました。リユース事業売上高は初の100億円を突破しています。
8位 タイムマシン(e☆イヤホン)中古家具・家電売上高 17.1億円
8位はタイムマシンです。「e☆イヤホン」の屋号で新品・中古のイヤホン・ヘッドホンの専門店を運営しています。5つの店舗と自社サイト、楽天、Amazon等でEC販売を行っています。24年からはレコードやCD等、中古音楽オーディオの取り扱いを開始。全店で買取りを行っています。
7位 シー・アイ・シー(再楽館、再楽館リプラス)中古家具・家電売上高 24.7億円
7位はシー・アイ・シーです。ヤマダホールディングスグループの傘下で、廃棄物の収集運搬とリユース家電の生産を担っています。また群馬・長野で中古家電の「リサイクルの再楽館 高崎本店」と「再楽リプラス 佐久本店」、古着の「ドンドンダウン オン ウエンズデイ 高崎店」を運営しています。
6位 ハードオフコーポレーション(ハードオフ、オフハウス)中古家具・家電売上高 34.1億円
6位はハードオフコーポレーションです。「ハードオフ」、「ホビーオフ」、「ガレージオフ」など、7業態で国内・海外展開を行っています。家電・家電部門では、黒物家電が主力の「ハードオフ」、白物家電や衣料が主力の「オフハウス」を中心に、全国でFCチェーンを展開。海外では米国や台湾でも店舗を展開しています。今期は45店舗の増加を見込み、1000店舗を超える見通しです。
5位 セカイズ(生活再良品館)中古家具・家電売上高 35.7億円
5位には、愛知県岡崎市に拠点を構えるセカイズがランクイン。家電や家具、生活雑貨等を扱う総合リサイクルショップ「生活再良品館」を運営しています。また、メーカー機能を備えた商社として新品およびリユース家電等を法人寮の備品として提供。商品の提案から供給、メンテナンスまで一貫して対応しています。
4位 ソフマップ(ソフマップ、じゃんぱら)中古家具・家電売上高 45.1億円
4位はソフマップです。昨年は本ランキング9位でしたが、本年は4位に順位を上げました。同社では、パソコンやデジタル家電などの買取販売とサポートを行っています。23年末には業務用機器のリユース事業を手掛けるエーワンを買収しており、オフィス機器・家具を中心に法人向けの買取販売を強化予定です。
3位 トレジャー・ファクトリー(トレジャーファクトリー)中古家具・家電売上高 48.1億円
3位にはトレジャー・ファクトリーがつけました。家具・家電などを扱う「トレジャーファクトリー」を中心に、服飾の「トレファクスタイル」、ブランド品の「ブランドコレクト」といった専門業態も展開しています。国内外で新規出店を進め、25年2月期は過去最多となる30店の出店を予定。幅広い商材と多店舗展開を強みにネットワークを広げています。
2位 浜屋(-)中古家具・家電売上高 51.8億円
2位には浜屋がランクイン。販路の大半を海外に置き、リユース家電の輸出では国内最大手となっています。23年から自社主催の古物市場「HAMAYAオークション」を主催するほか、エンドユーザーからの宅配買取も開始。今年開催される大阪万博では、閉幕後に施設のリユースを行うオンラインプラットフォーム「ミャク市」に協賛しています。
1位 ゲオホールディングス(セカンドストリート)中古家具・家電売上高 109.8億
1位に輝いたのは、2位と58億円の差をつけたゲオホールディングスです。メディアリユースの「GEO」、古着等の「セカンドストリート」等を運営しています。セカンドストリートの海外展開を米国や台湾などで進めており、24年には海外店舗100店目を台湾にオープンしました。さらに昨年夏から中古流通支援「リユースアライアンス事業」を開始しています。
4:2023年(2022年度)調査から見えた変化
中古家具・中古家電売上ランキング2024では、ゲオホールディングスが1位に輝きました。2位の浜屋は、増収により昨年から順位を上げています。同社は主催する「浜屋オークション」で自社商品を出品しており、販売チャネルを事業者にも広げています。
また4位のソフマップも躍進を見せました。23年に実施したエーワンの買収によって、オフィス機器や家具など商材を増やしています。さらに、11位には厨房機器のテンポスホールディングス、14位にはカメラ・オーディオのフジヤカメラ店がランクイン。法人向け・個人向けを問わずバラエティ豊かな企業群が存在感を見せています。
中古家具・家電を扱う各社では、M&Aや業務提携の動きも出ており、本ランキングでは2位から4位までの企業で売上高が拮抗しています。今後も各社の動向にぜひご注目ください。
5:まとめ
中古家具・中古家電市場では、輸出や海外出店、専門店業態など独自の強みを持つ企業が、抜きつ抜かれつの戦いを繰り広げています。
中古家具・中古家電は大型で単価が低いため、ゲオホールディングスを除く各社の売上高は100億円以内に留まります。一方で市場規模は2000億円を超えており、中古家具・中古家電業界は、全国の中小企業によって発展していることが分かります。
またリユース各社の粗利率についての調査では、家具・家電の総合業態が58.4%と高い値を記しました。ここからは、不用品の処分ニーズによって買取りを行うケースが多い傾向を読み取れます。
さらにメルカリの調査では、家庭内で保有している所有物の数量を調査し、その価値を金額換算した「持ちモノ資産」が、国民一人あたり平均約182.4万円、総額約216兆3925億円にのぼることがわかりました。家具・家電の割合も19.6%と高く、今後も豊富なストック取引きによる市場拡大が期待されます。
リユース経済新聞では、全国のリユース企業等を取材しており、マーケットや企業の動向等の情報を発信しています。
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