近年、リユース業界のM＆Aが活発化している。どのような要因で、増加の一途をたどっているのか。また零細リユース店でも会社の売却は可能か。リユース企業のM＆Aの仲介を担当した経験を持つ、M＆A総合研究所（東京都千代田区）の企業情報第二本部第四部の木浪拓馬部長に分析してもらった。
「仕組み化できているか」が判断材料に
相談件数は
増加傾向
M＆A総合研究所は、事業の承継や譲渡を検討している企業に対し、候補先の選定や打診、交渉を行う仲介業を展開している。対応業種は限定しておらず、リユース企業の案件数は全体のごく一部だ。だが相談件数はコロナ前と比較し、増加傾向だ。
「現状古物商の案件は多くないですが、今後増えていくと予想しています。徐々にではありますが属人的だったリユース業の仕組み化が進んでいて、以前より譲渡がしやすくなっている印象を持っています」と木浪部長は話す。
仲介実績の1つとして、製造業がリユース業に新規参入をしたいと、リユースのフランチャイズの加盟店を数十店運営している地方企業を、買収した案件がある。フランチャイジーを買収すれば専門的なノウハウを得られやすいと、異業種として魅力的に見えたという。買取り時の真贋鑑定や査定のノウハウがシステム化されていることで、事業が承継しやすいと話が進んだ。
第585号(2024/06/10発行)19面
