店内は細かな配慮が行き届き、清潔感ある店舗になっている。直営店7店舗の他に支援店が全国に202店舗あり、全店舗のデュエルスペースは7000席以上。そのネットワークを活かした新展開も進んでいる。
誰もが入りやすく
居心地の良いトレカ
誰もが入りやすいカードショップを目指すことは、「新規ユーザー獲得のためには欠かせません」とドラゴンスター運営会社のジェイフード取締役でアミューズメント事業部長の重走一樹さん。
ジェイフード取締役 アミューズメント事業部部長 重走一樹さん
日本橋2号店はコナミカードゲームステーションのサテライトショップ(全国に4店舗)に認定されており、コナミのカードをはじめ、様々なカードの大会がほぼ毎日開催されている。
同社はカードメーカーとの取り組みを強化しており、「メーカーの御用聞き的存在でありたい」と重走さん。
新品カードの売上を増やし、値下げではなく集客で売上を増やしたい考えだ。
現在、eスポーツとのコラボも進んでいる。同社には支援店が全国に202店舗あり、各地域の店舗をネットで結んで対戦するイベントを計画中だ。
重走さんは「アナログゲームの収益が少なくなっても、こうしたイベントに場所とスタッフを貸し出すことで補足できます」と話す。
店舗づくりのポイント
トレカ大会イベント以外のポスターを貼らない
同店のデュエルスペースには、イベント以外のポスターを貼っていない。キャラクターの水着姿などのポスターがあると、家族連れやカップルなどは入りづらくなり、反対に子ども向けのカードのポスターが多いと成人男性が入りにくくなる。
「この店舗はライトユーザーのお客様も安心して来店できることをコンセプトにしています」と重走一樹さん。カードについての情報は代わりにツイッターで発信している
テーブルの間は120cm以上。トイレは男女別
テーブルの間は120cm以上を確保。また空気が籠り、ムッとした空間にならないよう、換気に常に気を配っている。さらに客層は95%が男性だが、男女別にトイレを設置。居心地の良さを徹底している。
このように環境整備をすることで、ここで働きたいという声も増え、人材確保にも繋がっている
飲食自由!
その分、閉店後の清掃徹底
店内は飲食自由。その分、閉店後に徹底して清掃をし、綺麗にしている。写真は別スペースにある「マジック:ザ・ギャザリング」専用のデュエルスペース
You Tubeに大会動画をアップ
ドラゴンスターでは、店内で行われた大会の模様の一部はYou Tubeで配信している
オリジナルのカードスリーブも販売。これは裏面がザラザラしているタイプ
「マジック:ザ・ギャザリング」の大規模イベント「グランプリ」にも出展し、カードを販売している
店舗運営の方針
QSCチェックで接客の質を向上
接客の質を向上させるため、2ヵ月に1回、QSC(「クオリティ」「サービス」「クレンリネス」)の3つ要素についてスーパーバイザーが調査をする。それぞれ細かな項目があり、点数化して達成率を出す。「カードゲームの強い人ではなく、接客を大事にできるスタッフを採用しています」と重走さん
支援店の研修会
詳細なデータを提供
ドラゴンスターでは課金が発生するFCスタイルではなく、POS導入とデータ提供という「支援店」というスタイルで、カードショップの開業・運営サポートを行っている。年に1回、支援店を集めて研修会を実施。毎月詳細なデータ分析も支援店に提供している
グルメで他店舗と差別化店
グルメなトレカ大会
「マジック:ザ・ギャザリング」のプロツアー地域予選(RPTQ:プロツアーへの挑戦をかけた招待制のイベント)を開催した際に、参加者に提供したマナ・シンボルをデザインしたチーズケーキ(左)と、恐竜をイメージしたサンドイッチ(右)
こちらは同大会のジャッジの人に提供されたスペシャル弁当。いずれもドラゴンスターを運営するジェイフードのフランス料理店が作ったもの。飲食部門を持っている強みを出している
オープン | 2016年12月 |
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取扱い商品 | トレーディングカード全般 |
客層 | 20~30代がメイン、男:女=95:5 |
スタッフ数 | 全13名 |
備考 | 売り場面積/約100坪 デュエルスペース/168席(内MTG専用40席) ドラゴンスターを運営するジェイフード(※日本橋2号店のみグループ会社のエイアイツーが運営)はその他、フレンチレストランやクレープ店も展開している。 |
第444号(2018/07/25発行)9面