左からオーナーの小林博代さん、ユニークな手作りドーナツで知られる「ハグジードーナツ」のまつかわひろのりさん、サイエンスライターの伊沢尚子さん。オーナーの大和直子さん。まつかわさんは「YORUTRA」に参加。伊沢さんはアートスペースにて、今年の夏、サイエンス展示「ハートは好きですか?」を行った。個性溢れる色々な人が関わって、mametraを形づくっている。
古着+カフェ+アートスペース
様々な人が集い、形づくる店
「壁面が空いているから貸し出せばいいかなという気持ちで始めましたが、今ではそのアートスペースが重要な軸となっています」と話すのは、オーナーの一人である大和直子さん。2015年にデリカフェを併設した古着店としてリニューアルオープン。カフェの一部をレンタルのアートスペースとしたことで人が人を呼び、今では様々なイベントを行うようになった。月に一度の夜の営業「YORUTRA」では、落語会を開いとこともある。
もう一人のオーナー小林博代さんも「この店に関わることによって、スタッフやクリエイターの皆さんが活躍の場を広げてもられるようなお店にしたいですね」と話す。古着屋のコンセプトは「今を切り取る」。時代の空気感を持った古着をスタッフ全員でセレクトしている。しかも、価格は都区内に比べて安めに設定。多少はほつれなどがある古着も丁寧に検品・修復して販売している。
厨房は扉で仕切られており、服に匂いはつかない。デリカフェのメニューはサラダ惣菜がメイン。住宅地の中なので、単なるカフェメニューではなく、住んでいる人が利用しやすいメニューを考えた。「家で作るのは面倒だけれども、ここに来たら15~20種類の野菜が食べられる。そんな家庭料理に近いものを作っています」と小林さんは話している。
mametraのロゴは回るジャングルジムがモデル。色々な人が遊びに来て、お店を回してくれることを表している
テーブル席のイスのカバーは古着のジーンズ!ほどいてカバー用に作り直した力作だ
以前はスナックとして使われていたという同店。カウンターやイスはそのまま利用した。イスのカバーは大和さんと小林さんがデザインを考案して張り替えた。古着店らしくイスの背中にジッパーやジーンズのバッチをあしらっている
1点1点を大切に売るためにゆったりと陳列する。什器は美術品を運ぶ木の箱をイメージして作ってもらった。mametraを通して、着られなくなった服が、次の人に繋がっていってほしいという思いを込めている
古着の他、若手デザイナー作品も販売している。上の商品は古着をリメイクしたもの
壁面の一部に設けられたアートスペース。この時は写真家の作品が展示されていた
サラダ惣菜などのショーケース。テイクアウトもでき、利用者も多い
野菜がいっぱい!カフェメニュー
お惣菜の材料は、近隣の農園の野菜から譲ってもらったものがほとんど。ニラの花(下写真)やシカクマメなど珍しい野菜も多いカフェのセットメニュー。6種類のサラダ惣菜から3種類を選べ、パンかご飯、スープ、飲み物がついて980円とお得。しかも、これ一皿で数10種類の野菜が食べられて、とてもヘルシー。この他、サンドイッチやスイーツも販売している。
ザーサイのスープ、プレート右上/スチームチキンとトマトバジルマカロニ、左上/白身魚とマリネのニンジンピクルス、イチヂク、カッテージチーズ、右下/新生姜と油揚げの炊き込みご飯、左下/冬瓜とナスと豆腐のジャコ和風
オープン | 2000年(現在の場所に移転したのは2015年11月) |
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取扱い商品 | 古着(メンズ:レディース=4:6)、カフェ、アートスペース |
スタッフ数 | 6人 |
備考 | 売り場面積/約60平方メートル(面積比 古着店:カフェ=5:5) 店頭在庫/約200点 カフェ席数/11席 mametraは2000年に古着店として、聖蹟桜ヶ丘にオープン。その後、2015年11月にカフェを併設した店舗として現在の場所に移転オープン。古着系のリサイクルショップで一緒に働いていた大和直子さんと小林博代さんが共同で経営している。 |
第448号(2018/09/25発行)9面